発想する会社 The Art of Innovation

書影

著 者:トム・ケリー ジョナサン・リットマン (訳:鈴木主税 秀岡尚子)
出版社:早川書房
出版日:2002年7月31日初版
評 価:☆☆☆☆(説明)

 「これが私が目標としている会社の本です」と、知り合いの起業家の卵から渡された本。
 一見してアメリカ的ハウツー & サクセス本という感じがした。字も2段組でびっしりで、正直言ってあまり読む気がしなかった。それでも、わざわざ貸してくれたのだし、彼女の目標だと言うし、とにかく読み始めた。....これが、面白かった。一気にとは言わないまでも、最後まで興味深く読んだ。

 米国に本社のある世界的に有名なデザイン会社。数々の大企業の製品デザインを手がけている。商品の企画・製造・販売といったメーカーの業務から、デザインだけを切り出してビジネスになるのか?なるのである。デザインと言っても、形や色などの形状のデザインでなく、商品コンセプトも含めた設計などを含むデザインである。(設計を英訳するとdesignだ。でも日本語のデザインは主には図案とか意匠のことだ。このズレは大きいかも。)

 では、商品コンセプトと言えば、メーカーの戦略の要の1つだ。そんなものをその商品の専門家でもない会社にアウトソースできるか?できるのである。

 ということで、この本は、デザインの本ではなく、この会社のイノベーション手法が明らかにされている。実際、この会社には、デザインの依頼だけでなく、イノベーション手法の手ほどきのオファーも多いらしい。この手法によって、専門ではなくても優れた商品デザインが可能になっているのだ。

 キーワード:ブレインストーミング、プロトタイプ、観察、他家受粉、ウェットナップインターフェイイス

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