著 者:グラハム・ハンコック (訳:大地舜)
出版社:小学館
出版日:2002年10月20日初版
評 価:☆☆☆(説明)
太古の失われた文明の存在を主張するハンコック氏の2002年までのレポート。
かねてから正統派の考古学に挑戦し、考古学者の反発を買っていたが、本書冒頭では反省の弁を述べている。「正統派の分析手法を軽視しすぎた。いかにその他の状況証拠が違う事実を指していても、炭素年代法で証明されない限り、受け入れられないのだ。」と。
本書の主要なテーマは、海に没した太古の文明だ。太古とは17000年~7000年ぐらいのことを言っていて、約5000年前からとされるエジプトやメソポタミアを、さらに5000年以上遡ることになる。
この時期は、氷河期の氷が溶け出し、120mも海面が上昇して世界の陸地2500万平方キロ(米国と南アメリカを合わせた広さ)が海に没した時期である。海岸部分が暮らしやすいことを考えれば、この海に没した部分に人が集まって住んでいた可能性は高い。
もう1つの論旨は、世界中に残る洪水伝説が、何らかの真実を含んでいるのではないか、ということ。一般的には、伝説を歴史資料として見る向きは少ない。しかし、驚くほど類似した伝説が多いのは何故か?さらに、伝説を基にして海底を調査し、遺跡が発見されたとしたらどうか?インドでは実際にそれらしき物が見つかっている。
さらに、中世の地図にその頃には存在しない島が描かれていたり、あるはずの海峡がなかったりするのは何故か?それが、1万年前の地形とぴったりあっているとしたら、1万前に誰かがその地形を記録したとは考えられないか?
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