著 者:J・R・R・トールキン (約:吉田新一他)
出版社:評論社
出版日:1975年3月20日初版 1993年4月10日第8刷
評 価:☆☆☆(説明)
トールキンの短篇集。「農夫ジャイルズの冒険」「星をのんだかじや」「ニグルの木の葉」「トム・ボンバディルの冒険」を収録。
トム・ボンバディルは、指輪物語に登場する人物で、全ての物の前に存在していたとされる。魔王サウロンも手が出せないとも言われている。そういうこともあって、「トム・ボンバディルの冒険」に興味があって手に取った。
しかし、これは16篇の詩からなる詩集で、しかも、トム・ボンバディルは最初の2篇にしか登場しないし、読んだ限りはただの「陽気なおじさん」としか描かれていない。トールキンを深く理解するためには必要な詩らしいのだが、正直に言うとちょっとあてがはずれた感じ。
「農夫ジャイルズの冒険」は、ホビットの冒険のような冒険譚。竜も出てくる。運と不思議な刀の力で最後には王様になる。まぁ、読める。
「星をのんだかじや」「ニグルの木の葉」は、メルヘン。トールキンの他の作品とは違った感じで、冒険はない。フワフワとした感じの捉えどころのない話で、どうも面白くなかった。あとがきに訳者の解説があり、「星をのんだかじや」では、人間の世界と妖精の世界の関わりについての作者の考え、「ニグルの木の葉」では、キリスト教的な要素が指摘されていた。これで、やっと腑に落ちた。そういうことだったのか。
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