著 者:エリヤフ・ゴールドラット (訳:三木本亮)
出版社:ダイヤモンド社
出版日:2002年10月10日第1刷 2002年10月25日第3刷
評 価:☆☆☆☆(説明)
「ザ・ゴール」の著者でTOC理論の提唱者の第3弾。
第1弾の「ザ・ゴール」は、「ドラム・バッファー・ロープ」と「バッファー・マネジメント」からなるTOC理論の核心部分、第2弾の「ザ・ゴール2」は、「思考プロセス」という問題解決技法をそれぞれ紹介した。なかなかインパクトのある本だった。
この第3弾には、そうした新しいコンセプトや理論はない。TOC理論を応用した企業改革のケーススタディといったところ。しかし、ストーリー全体を流れる考え方は有用だ。「コンピュータシステムを導入してどのように利益をあげるのか」ということだ。
私も企業の情報システムに携わったことがあるので、登場するERPメーカーのとまどいや驚きが良くわかる。決算書が早くできる、全社のデータが翌日にはわかる、5人で処理していた伝票を1人でできるようになる。コンピュータシステムにはそうしたメリットがある。そう、確かにメリットはあるのだが、「いくら利益に貢献するのか」はわからない。大金を投じる以上、それを上回る利益が見込めなくてはならないのだが、それはわからないのだ。
利益をあげるためのコンピュータシステムの導入はこうすると、著者は言っている。
(1)コンピュータシステムは、何らかの限界を取り除くために導入する。
(2)その限界が存在することを前提に作られたルールのままでは効果は出ない。ルールも変更する必要がある。
(3)新しいルールに合わせ、コンピュータシステムにはどのような変化が必要か、さらに考える。
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