クリティカルチェーン なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?

書影

著 者:エリヤフ・ゴールドラット (訳:三木本亮)
出版社:ダイヤモンド社
出版日:2003年10月30日第1刷 2003年11月13日第2刷
評 価:☆☆☆☆☆(説明)

 TOC理論の提唱者の第4弾。今のところこれが最新刊。
 今回はTOC理論をプロジェクト管理に応用する。著者は前々からTOC理論は生産現場のスループットの向上だけではなく、もっと広範囲な応用分野を持つと言っている。しかしながら、第2弾の「思考プロセス」が、正直なところ理論は分かるが実用となるとどうも、という感じがして、応用はムリなのではないかと思っていた。
 今回のプロジェクト管理への適用は、この思いを覆すもので、大変に有用なのもの、言い換えれば「使えそう」な感じがする。やはり、TOCは、ボトルネックやドラム・バッファー・ロープや、バッファーマネジメントを中心とした展開が、実用的でわかりやすい。

 プロジェクト管理への応用では、プロジェクトの長さを決定する、PERTチャート上の最も長いパスを制約条件として、その他の合流するパスをこれに合わせる。この最も長いパスをクリティカルパスという。そして、バッファーはクリティカルパスとの合流点と、プロジェクトの最後だけに置く。これがミソだ。
 つまり、従来のように個々の作業の期限をそれぞれに決めると、それぞれに余裕をみてしまい、全体としては過大なムダをはらむことになる。しかも「学生症候群」(余裕があると思うとすぐには着手しないこと。言い得て妙だ)で、空いた時間はつぶされてしまうのだ。
 それから、複数のプロジェクトで共有するステップはボトルネックだ。これを中心に考えれて、複数のプロジェクトにわたるクリティカルパスをクリティカルチェーンと言う。

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