サークル・オブ・マジック 3,4

書影
書影

著 者:デブラ・ドイル (訳:武者圭子)
出版社:小学館
出版日:(3) 2003年8月10日初版
        2004年7月1日第4刷
     (4) 2004年8月10日初版
        2004年11月10日第2刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 少年魔法使いランドルの冒険+成長物語。
 3.は、なかなか面白い。時間を操る魔法というのがあって、これが未熟な使い方をすると、永遠に繰り返しになってしまい、そこから抜け出せなくなる。これを文章で描くと、必然的に話が繰り返し、ぐるぐると回って混乱するのだが、うまい語り口でまとめられていて、読んでいる方まで混乱してしまわないようになっているのが、さすがだ。
 また、後半では、妖精国という新たな国を創り出して、世界観を広げている。ここの国王は絶大な力を持ち、悪魔をも一蹴する、何とも頼もしい存在。もともとこの3巻で終了していた物語なので、過去に登場した人物をもう一度、善悪取り混ぜて登場させて、最後には新しい女王の元で、平和が訪れるという大団円で終わる。読後感がさわやかだ。
 1つ心配なことが、「毒を以って毒を制す」というわけで、悪役の魔法使いが悪魔にやられてしまうのだが、たしか、悪魔が魔法使いの血を吸うと、強大な力を持ってしまうと、1巻で書いてあった。悪魔は魔界へ帰っていったようだが、これで良いのだろうか?

 4.は、ファンの声に押されて出した最新刊。前巻から1年ほど後の平和な時代。登場人物の1人が、「放浪していた昔に戻りたくなる」と言って、その結果、新しい国への新しい冒険が始まる。新しい冒険や国が必要だったのは著者自身かも知れない。

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