著 者:ポールスチュワート 訳:唐沢則幸
出版社:ポプラ社
出版日:2005年7月第1刷
評 価:☆☆☆☆(説明)
第5巻の少し前のお話。登場人物も設定もほぼ第5巻と共通している。
ヴォックスと言うのは、第3巻に登場する雲読み師だ。野心たっぷりだったが、格下のカウルクエイプに最高位学者の座を取られてしまう。その時に「今に見ていろ、必ずその座を我が物にしてみせる」というようなことを、最後に言い捨てて終わる。それなのに、4巻では触れられず、5巻ではすでに失脚していることになっていて、どうしたんだろうと思っていた。
今回は、良きものは救われ、悪しきものは滅びる、そいうったラストにカタルシスを感じるものになっている。崖の国には悪しきものがはびこっていた。夜の守護聖団、ゴブリン軍、オオモズ軍、それらが互いにいがみ合いながら危うい均衡を保っていた。
主人公たちの活躍で、良きものたちは窮地を脱し、悪しきものたちは….気になるのはここだ。悪しきものたちは、さらに悪しき怪物に滅ぼされてしまった。この世界には、誰も太刀打ちできない怪物が闇の中で巣くっている。そういう怪物に運悪く遭遇してしまえば、観念するしかない、という設定になっているのだが、今回は、その怪物を町に解き放ってしまった。これで良いのか?
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