著 者:有川浩
出版社:メディアワークス
出版日:2007年11月30日初版
評 価:☆☆☆☆(説明)
「図書館戦争」シリーズの完結編。この巻で完結ということは前巻で予告されていた。だから、どう完結するのかが知りたくて、待ちに待ったという感じ。いろいろなシリーズを読んだけれど、こんな感じは久しぶりだった。
あとがきによると、最終巻のネタだけは決めてあったらしい。さすがに、読み手を引き付けたまま離さない見事なネタでした。1巻、2巻、3巻と、それぞれに大規模な攻防戦や拉致事件、謀略などがあり、こうした盛り上がりを後半に置いて、それに向けて前半は徐々にスピードを上げつつ助走していく、という構成だったかと思う。今回はちょっと違う。
堂上と郁がある作家を護衛して疾走する。途中で堂上が倒れ、郁に言う。「ここからお前一人で….大丈夫だ。お前はやれる」 郁は感極まって、愛の告白(の予告)をして、一人で任務の遂行に向かう。こんな劇的なシーンが登場するのだが、これがまだ物語の中盤なのだ。このシーン以前にも結構ハデな逃走劇やらあり、この後には、郁の大立ち回りまであって、今回は前半から終盤まで走りっぱなしなのだ。
国際テロという事件の発端も、現在の世界情勢からすると生々しいが、その後の世間の反応などは、今まで以上に「ありえる」展開だから、なお生々しい。
我々は、テロの危険にを身近に感じたときに、なお冷静に物事を見極められるだろうか?表現の自由や基本的人権の尊重など、憲法に明記されている権利が、テロの防止と相反すると考えられた時に、どのような行動を取るだろうか?答は、9.11直後の米国を見れば想像は付く。
本書は、もちろんフィクションだし、著者はそんなことを世に訴えるために、このシリーズをしたためたのではないことも承知している。しかし、シリーズ全体の小気味よさの背景に、薄気味悪い未来も見え隠れしてしまう。
結末は、私としては実に落ち着きの良い結末でした。シリーズが完結したことを祝福したいと思います。そして、登場人物たちの今後の人生について、近い将来に知る機会が来ることを願います。
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YO-SHIさん、こんにちは。初めまして、花梨と申します。
TBありがとうございます。
図書館シリーズ最終巻相応しいお話しでしたね。
キャーキャー言いながら読みましたv
TB返しをさせていただこうとしましたが、上手く出来ませんでしたので、コメントだけさせていただきました。URL
初めまして。
「読書好きな管理人」という人気のないブログをやっている「うぱか」といいます。YO-SHIさんほど情報量は多くありませんが、細々とやっています。
是非来て下さい!!
図書館戦争おもしろい!玄田隊長が特にいい!☆☆☆☆じゃなくて、☆☆☆☆☆でもいいんじゃないですかね・・・・・。
こんにちは。
コメントありがとうございました。
この「革命」と「危機」でベタ甘万歳になってしまいました(笑)
次は「別冊 図書館戦争」を読む予定ですが、かなりベタ甘だそうで・・・
ドキドキしながら待ちたいと思います(^^)
キャラがしっかりしているので読んでいても安心のシリーズでしたよね(^^)
これからも度々おじゃまします(^^)
igaigaさん、コメントありがとうございました。
戦闘職種のベタ甘という特異な組み合わせが良いんでしょうね。
いちゃいちゃしても、郁と堂上ならいいよ、許す!って感じで。
次は「別冊」ですか。
あくまで私の感受性でですが、別冊1は異次元の甘さです。
お気をつけて...(笑)