崖の国物語8 真冬の騎士

書影

著 者:ポールスチュワート 訳:唐沢則幸
出版社:ポプラ社
出版日:2007年11月第1刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 崖の国という舞台の、様々な時代の物語をつづるシリーズの8作目。第4巻「ゴウママネキの呪い」の直後の物語。主人公はクウィント。1~3巻の主人公であるトウィッグの父であり、通り名を「雲のオオカミ」という空賊だが、これはその青年時代、トウィッグの母であるマリスと結婚(するのかどうかは定かではないが)する前の話。

 シリーズを時代順に追うと、外伝-4巻-8巻・・1巻-2-巻-3巻・・5巻-6巻-7巻となる。途中の・・は、年代が開いていることを表す。著者の意図があるのかどうかはっきりしないが、このクウィントの物語だけが、連続しないで飛び飛びに刊行されていることがわかる。そして、残されたピースがあと僅かであることもわかる。崖の国の年代記の完成にあと少しだ。(本シリーズの原題は「The Edge Chronicles」。Chronicleは年代記だ。)

 ストーリーは、空賊の息子であるクウィントの飛空騎士団での生活を中心に展開する。騎士団と言っても、飛空騎士を養成する学校のようなもの。難しい授業あり、厳しいが生徒思いの先生あり、いけ好かないヤツもいる、という感じで、ハリーポッターのホグワーツでの暮らしのよう。いけ好かないヴィルニクスというのが、愛嬌のかけらもないヤツで、様々な事件を引き起こすのだが、ホント救いようがないヤツだ。

 シリーズの他の巻と同じく、本書も500ページを越える大書なのだが、これまた他の巻と同じく、苦痛を感じることなく最後まで読み通せる。ストーリー展開のウマさはこれまで通りだ。
 しかし、前巻の「自由の森の戦い」には、その面白さやスケールの大きさ、終わった後の爽快感などなどでかなわない、と私は思う。飛空騎士団の中、というのでは舞台が少し小さすぎたか。だた、。「自由の~」は、ルークという若者を主人公とした3部作の最終巻、クウィントの物語も他の主人公と同じ3部作だとすると、本巻は上中下で言うとまだ中巻だ。次回作に期待がかかる。

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崖の国物語8 真冬の騎士”についてのコメント(1)

  1. 966

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    ありがとうございました!!

    掲示板に書こうか悩んだんですが…

    やっぱりブログに書いておこうと思い

    カキコしました!!!

    コピ文ですいません!!

    http://black.ap.teacup.com/buonasera/

    +*。・+。*+・。+*。・+。*+・。・+。*+。+*。・+。

    おもしろそうな本ですね!!!
    ちょっと自分でも探してみようと思いますww

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