著 者:福岡伸一
出版社:講談社
出版日:2007年5月20日第1刷 2008年2月8日第14刷
評 価:☆☆☆☆(説明)
50万部を超えるベストセラー。比較的安価で手に取りやすい新書であることを考えても、学術的なテーマであることを考えると、よくこれだけ売れたものだ、と思う。
本書は、生物と無生命との境界線(著者はエピローグで、界面(エッジ)という用語を使っている)を、著者の専門である分子生物学の知識をベースにさぐる良書だ。生物と無生物の境界線をさぐることは、つまりは「生命とは何か」を考えることでもある。
そして「生命とは何か」というテーマは、深遠でありながら、多くの人の興味を引く、抜群の魅力というか市場性のある「おいしいテーマ」だ。それを、本人の研究成果や、この分野のちょっと気の利いたエピソードを交えて、平易な言葉で軽く、しかしあくまで真剣に綴る。最初に「よくこれだけ売れたものだ」とは書いたけれど、読んでみて分かったが、これだけ条件が揃っているのだから、売れるべくして売れたのかもしれない。
詳細は、本書を読んでもらうとして、ちょっとだけ中身を紹介。前半は、今や中学で教える学校もある、DNAの二重らせん構造の発見を中心とした、ノンフィクションドラマ風読み物だ。その分野に属する人々には周知のことかもしれないが、外部の人はほとんど知らない「本当はこうなんだよ」という話が次々と語られていて、とても面白い。
後半は、いよいよ「生命とは何か」について、少しづつ少しづつ論を進めて、生命の姿を現していく。大学の生涯学習講座を聴講しているかのような分かりやすさだ(そして、基礎知識さえ持たない聴講生が飽きないような工夫も)。
「生命とは何か」という命題に対する本書の結論には、批判や不服もあるだろうが、著者なりの結論は出ているし、私はこれで良いと思った。
ところで、皆さんが食べ物として摂取したタンパク質に含まれる窒素は、体重が変わらないとすると、食べ物を口にした後、どうなると思いますか?このことを知りたいと思った人なら、本書を面白く読めると思う。きっと新鮮な驚きがありますよ。
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(たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)
こんにちは。
この本は読みました。
なるほど、なるほど、なるほど
と読み進めて行きました。
少し敷居が高そうな内容も何度となく
ページをめくり戻して理解を深めることが
できました。
ほんと、勉強になった本でした。
こんにちは。
私もこの本を楽しく読みました。
DNAの二重らせん構造発見についての部分は、乗り物に乗って時間と空間を超えて旅をしているようでワクワクしました。
作者の生物学への愛を感じます。
トマトさん、再びコメントありがとうございます。
この本も楽しめました。
知らないことを、たくさん知ることができたし、
「生命とは何か?」についても、著者の考えが
良く分かりましたから。
—–
若隠居さん、コメントありがとうございます。
二重らせんの話って、子どものころから知っているので、
すごく前からわかっていることなのだと思っていたら、
わずか50年前に解明されたことなんですね。
(「50年前」に「わずか」と付けたことに自分でも
驚きました。年をとりました。)
はじめまして。
ブログが見やすく、なおかつ読んだ本を詳しくレビーューしているので、ブログ創りに参考になります。
いくつか紹介された本に興味のある本があるので
読んでみます。
風来暮さん、コメントありがとうございます。
お褒めいただいて、ありがとうございます。
もし同じ本を読まれることがありましたら、感想などを
いただけるとうれしいです。
今後ともよろしくお願いいたします。
生物と無生物のあいだ
生命とは何だろう。多くの人は、繁殖をするもの、すなわちDNAの複製を繰り返し、次々に子孫に伝えていくものであると、思っているのではないだろうか。難しい言い方をすれば、「生命とは自己複製を行うシステムである」ということである。しかし、ここで一つ困ったこと……
こんばんは。
この本。入れ物自体が時の流れによって新たに作られていくっていうのを読んだあとにダイエットなんてしても意味のないことなんじゃないかしらと思ってしまったのは、間違った読み方をしてしまった結果なんでしょうか?(笑)
リンクありがとうございました。
こちらからもさせていただきました!
今後ともどうぞよろしくおねがいします。
生物と無生物のあいだ-福岡伸一
「生物と無生物のあいだ」 福岡伸一 こんばんは。ここに自分が存在しているのはなぜか。そんなことはお酒を毎晩補給してなくなったら、また入れる。そんな風に思っているわけで。まぁ普段はそんな哲学的なことはまったく考えていないんですけど、たまには考えてみるのもいい…..
生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)
書評リンク – 生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)
はじめまして!
私もこの福岡伸一さんの文章が大好きなのです。
以前、彼が爆笑問題の番組に出た際も、大変難しいことを
丁寧な、しかも平易な言葉で説明していて、
本当に頭がいいというのは、こういうことなんだなと
感心しました。
こちらの書評は非常にわかりやすく、読書の参考になります!
また遊びにきますね。
sakura-kanadeさん、コメントありがとうございました。
爆笑問題の番組は、時々見ているのですが、福岡伸一さんの回は
見逃しました。惜しいことをしました。
sakura-kanadeさんのブログも拝見しました。
読書の記事がたくさんあるようですね。後でまたゆっくり読ませて
いただきます。