著 者:フィリップ・プルマン 訳:山田順子
出版社:東京創元社
出版日:2007年5月30日初版
評 価:☆☆☆(説明)
映画化された「ライラの冒険」の著者が、ライラ・シリーズに先立つ10年間(1985~1994年)に出した「サリー・ロックハートの冒険」シリーズ4部作の1作目。シリーズは、日本では2作目の「仮面の大富豪」までが出ている。「本が好き!」プロジェクトで見かけて覚えていたので読んでみた。ちなみに「ライラ」の作者だとは、表紙裏の紹介を読むまで知らなかった。
ファンタジーかと思ったが、魔法はなし、異世界もなし。その代わり、麻薬の売買や密輸、裏切りなどが複雑に絡んだ、なかなかしっかりしたミステリーだった。主人公は、サリー・ロックハートという16歳の女性(少女というには微妙な年。しっかりしているし)。海運業者の経営者だった父を、船の事故で亡くし天涯孤独の身になった。ある日謎めいた手紙が届き、父の死には隠された秘密があるらしいことに気づく、というところから物語は滑り出すように始まる。
登場人物が素敵だ。時代は1872年、場所は英国、ビクトリア朝のロンドン。主人公サリーは会社経営者の娘らしく「お嬢様」なのだが、父親が娘が好きに学習するに任せた結果、英文学、歴史、美術、音楽などのお嬢様らしいたしなみは皆無だ。その代り、軍の作戦、簿記、株式市場の動き、と実用性が抜群の知識を持っている。実際、これらの知識がサリーに仲間を作り、その身を助けることになる。
そのサリーの仲間たちも実に魅力的だ。写真家のフレデリックと、その姉で女優のローザ。サリーは2人が居る写真館に身を寄せることになるのだが、住人が増えることにも、サリーが写真館の経営に口出しすることにもイヤな顔ひとつ見せない。それどころか、その才能を高く買って采配を任せ、自分たちはサリーが抱える問題の解決のため、その身の危険を顧みず協力するのだ。
特に、ローザは飛びきりの美人だと言うし、そのきっぷの良さも気に入った。第2作は、これから6年後の設定だそうだけれど、彼女は登場するのだろうか?
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これは読んでみたいです!
ライラのシリーズは面白かったので気になります(・ー・)
図書館で探すか文庫化を待つか…
だいぶ先のことになりそうなので、覚えておかないと♪
liquidfish1さん、コメントありがとうございます。
朗報(かな?)です。
この本は、単行本が出て1年後の2008年6月に同じ出版社から
文庫版が出ているんです。ずいぶん早い感じがしますねぇ。
924円と、文庫にしてはちょっと高めですが…。
・・・お疲れ様です。 1/8書き:修善寺の温泉地:【新井旅館に入社面接。】。第一期ニート時代でしたが早速、由緒ある新井旅館に面接へ行き、名高い新井旅館にビックリしました!?【サラリーマン編】 、面白い画像は今回少なく貴重な画像?存分に楽しんで見て下さい。コメント等いただけたら幸いです。自分の【学生編】当過去ブログにも、当時の写真・面白い・可愛い・画像・動画ありますので、時あれば、楽しんで見てやって下さい。
こんにちは。まなせです。
父親を失い意地悪な親戚に引き取られと児童文学の王道ですが、今風というか、名作文学の主人公と比較するとかなりパワフルですね。中学生くらいの年代に読みたかったかな。次巻が6年後というのも面白いと思いました。
しかし最近は本も高くなりました。そんなに厚くなくても1000円を超える文庫や新書が珍しくなくなりましたね。
智太郎さん、コメントありがとうございます。
ブログ拝見しました。就職が決まったようですね。
おめでとうございます。
—-
まなせさん、コメントありがとうございます。
そうですね、中学生ぐらいで読むといいですね、
サリーの年代も近く、自分で人生を切り拓く感じも
そのくらいの年の感性に合うかも。
私はもっぱら図書館で単行本を借りているのですが
出張や旅行の折には文庫本を買って読みます。
確かに文庫の価格が上がったように思います。
1000円になってしまうと、気軽に買えませんよねぇ。
特に、中高生や学生さんにはキツイと思います。
朗報ありがとうございます!
まだ単行本も第二部までらしいのに、早いですねー(゜ ゜)
ブックオフオンラインでも流通していたので、狙ってみようと思います♪
「マハラジャのルビー」フィリップ・プルマン
[amazon] 1872年10月。最近父を失ったばかりのサリー・ロックハート…
YO-SHIさん、こんにちは。
ほんと、この本だけやけに文庫になるのが早かったですね。
それでいったら、第二部も今年中に文庫になるのでしょうか?(笑)
創元ブックランドも、なかなか面白い作品が揃ってますね。
ケイト・トンプソンの「時間のない国で」も好きだったし
あとジョゼフ・ディレイニーの「魔使い」のシリーズ! これが面白かったですよ!
私としては、そちらも早めに文庫にして欲しいです~。
四季さん、コメントありがとうございます。
このシリーズの第2弾も読みたいですね。
「魔使い」のシリーズは、四季さんのブログで読んで
気になっていました。「魔法使い」でなくて「魔使い」
なのも、ちょっと面白そうだし。