著 者:ダイアン・デュエイン 訳:田村美佐子
出版社:東京創元社
出版日:2009年3月13日初版
評 価:☆☆☆☆(説明)
「本が好き!」プロジェクトで献本いただきました。感謝。
「駆け出し魔法使いとはじまりの本」に続く、シリーズ第2弾。前作のレビューで「これはあり得ない、という場面も気にしないようにした。」と書いた。今回は「あり得ない」が突き抜けている。すると不思議なことに、かえって荒唐無稽さも気にならない。すんなりとストーリーに馴染めた。
主人公は、前作と同じくニータとキットの2人。前作の冒険を無事くぐり抜けてから2か月、正式な魔法使いになったところだ。そして、今回の舞台は海。2人は海で起きているこの世界を破滅に導く出来事を封印するために、水深5000メートルを超える深海へ向かう。しかもクジラに変身して。「あり得ない」。けれども読んでいて全く気にならなかった。
そして、本書は前作にはなかったドラマが用意されている。詳しくは言えないが、今回ニータは、ある運命を背負うことになる。物語の後半は読者は、その運命から目が逸らせなくなってしまう。ニータはどうなるのか?キットはどうするのか?前作を大きく上回る面白さだ。
さらに今回はもう1人ユニークなキャラクターが登場している。ニータの妹のデリーンだ。スターウォーズのファンで、ヨーダ柄のパジャマを着ている。ニータとキットの良き理解者ながら、一筋縄ではいかないクセ者。訳者あとがきには、第3弾での活躍が予告されている。目が離せない楽しみなシリーズになってきた。
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「駆け出し魔法使いと海の呪文」ダイアン・デュエイン
[amazon] ニータの家族がハンプトンズの海岸沿いの貸し別荘で夏を過ごすこ…
YO-SHIさん、こんにちは~。
TBさせていただきました。^^
そうか、今回は「あり得ない」が突き抜けてたから
逆に正統派のファンタジーに感じられたのかもですね。(笑)
今回は本当にニータの背負った運命が読ませてくれましたね。
2人の精神的な成長ぶりもとても大きかったし。
という私は前作の方がやっぱり好きだったんですけど
この辺りは人によっての好みの違いという感じなんでしょうね。
今回は人間ドラマとして前作よりも上だったと思うし
読み応えのあるいい話だったと思います。^^
四季さん、コメントありがとうございます。
四季さんは、前作の方がお好きなんですね。
テンポやストーリーの起伏は前作の方がありました。
こっちは、ニータの運命と家族のドラマを綴るという
趣でした。おっしゃる通りに好みの違いという感じ
でしょう。
何となく、ニータの家族がストーリーに絡んできてますが
次回作ではどうなるんでしょうね?
駆け出し魔法使いと海の呪文
「駆け出し魔法使いと海の呪文」(ダイアン デュエイン/田村 美佐子:東京創元社)はダイアン デュエインによる「駆け出し魔法使いシリーズの第二弾である。ニータとキットという二人の子どもの魔法使いが、「孤高なる者」という、悪の帝王のような存在と戦うという内容の…….