著 者:ダイアン・デュエイン 訳:田村美佐子
出版社:東京創元社
出版日:2009年9月25日初版
評 価:☆☆☆(説明)
「本が好き!」プロジェクトで献本いただきました。感謝。
「駆け出し魔法使い」シリーズ第3弾。第1巻の 「駆け出し魔法使いとはじまりの本」のレビューで、「これはあり得ないでしょ」という場面があるけれどあまり深く気にしないようにした、と書いた。それは、第2巻「駆け出し魔法使いと海の呪文」はもちろん、本書でもそうだ。前作で深海に行った魔法使いたちは、今回は遠くへと飛び出してしまう。
登場人物は前作までと同じだが、今回の主人公はデリーン。前作までの主人公の1人ニータの妹だ。デリーンは前作で、姉のニータと友達のキットが魔法使いだという証拠をつかんだ。しかし「全部話してもらうからね」と言い置いただけで、深くは追求せずに2人に協力したのだ。仮病を使って両親の気を引いたりして。
そう、デリーンは前作ですでに、主人公の姉を凌ぐ人気キャラクターになっていた。生意気だけれど正義感があり頭もいい少女。詳しくは第2巻を読んで欲しいが、上に書いた仮病だってまだ11才とはとても思えない周到さなのだ。そして、本書では彼女がスゴ腕のハッカーであることも判明する。恐るべしだ。
ストーリーは、ニータの「魔法の指南書」を見て「誓約」を立ててしまったデリーンが、魔法使いになるための「最初の試練」を描く。スターウォーズの熱狂的なファンで、ライトセイバーでダースベイダーと戦うことが夢、という彼女の「最初の試練」の場は「宇宙」。
それも地球からの観測限界である「事象の地平線」をはるかに越える遠い宇宙。そこで「力ある者たち」との遭遇と戦いが展開される。宇宙空間やターミナルの描写が、とても活き活きしている。著者はあの「スター・トレック」シリーズの著作も手がけているそうだ。なるほど。
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いさましいちびの駆け出し魔法使い
「いさましいちびの駆け出し魔法使い」(ダイアン・デュエイン/田村美佐子:東京創元社)。「駆け出し魔法使い」シリーズの3作目である。この本も、「本が好き!プロジェクト」を通じて献本いただいた本である。まずは、お礼申し上げたい。
いさましいちびの駆け出し魔……
こんばんは
この作品、デリーンがおしゃまでなかなかかわいかったですね。
内容の方は、かなり荒唐無稽なのですが、ファンタジーと割り切ってしまえば、それほど気になりませんでした(笑)。
風竜胆さん、コメントありがとうございました。
お返事が遅くなりました。
デリーンの無鉄砲ぶりにはヒヤヒヤしましたが、
そこがデリーンらしいところなのですね。
彼女でなければ今回の問題は解決できなかったかも。
荒唐無稽もここまで行けば問題なし、って感じですね。