著 者:水野敬也
出版社:小学館
出版日:2008年12月13日 発行
評 価:☆☆☆(説明)
発売から約1年半の昨年の春ごろに170万部突破したベストセラー「夢をかなえるゾウ」の著者の近刊(1年あまり前の発行)。「夢をかなえるゾウ」のテーマは「変わりたい」「成功したい」という多くの人に共通の「夢」。それをかなえるための課題を、面白おかしく提示して人気を博した。そして今回のテーマは、冴えない男子の夢「彼女が欲しい」だ。
主人公は御手洗という名の大学生。高校生の時、アーケードゲームの「鉄拳」の全国大会を制したことがある。なかなかスゴイ経歴だけれど、その他のことはサッパリ。特に女子に対してはまともに話もできない。もちろん、生まれてこの方彼女はいない。
彼が、渋谷の街で高校時代の同級生の笠原に会う。御手洗のことを「オテアライ」と呼び、使いっ走りとしてアゴで使ってきたモテ男、まぁ田舎から上京して来て一番会いたくない「友だち」だ。そして次に会ったのが花村春男。花村家一子相伝の恋愛極意を修得した達人(らしい)。彼が御手洗に恋愛極意を指南する、というストーリーだ。
それで..まぁ..「これを読めば僕にも彼女が!」と期待する悩める青少年がいたとすれば、そんな期待はきれいに忘れた方がいい(笑)。春男が指南するのは「ナンパ」と「合コン」の心得と立ち振る舞い。でもきっと活用できないだろう。良く言えば、これは達人の技なので厳しい修行でしか修得できない。悪くそして正直に言えば「こんなことできないよぉ」だ。
「彼女が欲しい」という現実的な目的さえ脇に置けば、この本は面白い。いろんなことに恵まれない男子が少しづつ何かを克服し前進していく姿は勇気付けられもする。古今の文人偉人の言葉を多用する春男が話す、一見?な極意にも一面の真理はある。バカバカしい青春物語として肩の力を抜いて読む分には可だ。
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