著 者:ジョエル・レヴィ 訳:瓜本美穂
出版社:産調出版
出版日:2011年2月15日
評 価:☆☆☆(説明)
出版社の産調出版さまから献本いただきました。感謝。
本書はタイトル通り、「秘密結社」をテーマにした本。みなさんは「秘密結社」と聞いてどんなことを思い浮かべるだろう?私は、政治経済を裏で操っているとか、世界征服をたくらんでいるとかの、「悪の組織」といったイメージだ。
もちろんここ数年間に読んだダン・ブラウンの作品の影響は大きい。ただ私にとっての「秘密結社」との出会いは、仮面ライダー(初代)のオープニングの「ショッカーは世界征服を企む悪の秘密結社である」というナレーション。「秘密結社=悪の組織」のイメージは、テレビの原体験と共に意識に刷り込まれてしまっている。
現在も続く、フリーメーソン、オプス・デイ、シオン修道会。歴史のどこかで消えてしまった、テンプル騎士団やイルミナティ。本書は、これらを含む27の秘密結社を、ひとつひとつ俎上に挙げて、その真実の姿を解説している。当然「真実の姿」が隠されているからこそ「秘密結社」なのだから、それを明らかにした著者の調査力には驚くばかりだ。
本書を読むと、「秘密結社」についての私の知識が、いかに貧弱で突拍子もないものかを思い知らされる。例えば上に「現在も続く、フリーメーソン、オプス・デイ....」と書いたが、最初の3つは現在も存続していて、後の2つは消滅していることさえ知らなかった。
まぁ、それで特に困ることもないのだけれど、興味というものは必要なものだけに向かうわけではない。「秘密結社の秘密」という「秘中の秘」には、小さな興奮を伴う興味が湧きあがる。一方で、本を読んだり映画を観たりした時に、「秘密結社=悪の組織」だと思っているからこそのワクワク感もある。
だから秘密がなくなれば、そのワクワク感がいくらか削がれるかもしれない。そもそも秘密がなければ「秘密結社」でさえなくなってしまう。つまり「知らないことによるワクワク感」と「秘中の秘への興味」のどちらを取るかに悩むことになるのだけれど、私の場合は後者が勝った。
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秘密結社といえばフリーメーソンが想起されます。25年ほど前にウィーンを訪れた時に初めてその存在を知り、かのモーツアルトも加入していたと現地の人に聞かされ、興味深々となったのを覚えています。以後、日常生活にかまけて、忘れていましたが、興味をそそられる本ですね。
片木さん、コメントありがとうございます。
フリーメイソンは、秘密結社の中でおそらくもっとも有名でしょうね。
「秘密」と「有名」では、用語が著しくアンバランスです。
英国のグランド・ロッジにはウェブサイトがあって、
「Becoming a Mason」とか、「Famous Masons」という
ページまであります。
http://www.ugle.org.uk/
まぁ、どんなに情報を公開しても、というか公開すればするほど
「公開していない秘密」が疑われてしまうわけですが。
YO-SHIさん こんばんは。
秘密結社!わくわくしますよね~。秘密結社、暗躍!となるともう楽しみで×2(笑)
活躍してる時点で秘密じゃないですよね~。
「世界征服」は可能か? (岡田斗司夫)ぐらいのレベルしかないので、私も極めてみたい分野です。
たかこさん、コメントありがとうございました。
「秘密結社」と聞くと、ワクワクするのは、テレビや映画や小説で
かならずワクワクする展開と結びついているからなんでしょうね。
でも、本文にも書きましたが、知れば知るほど、普通の団体でしか
なくてワクワク感が目減りしていく感じです。
それでも「いやいや、ホントはまだ隠された秘密があるはず..」
と思ってしまうのは、なぜでしょうね?