著 者:夏川草介
出版社:小学館
出版日:2010年10月3日 初版第1刷発行
評 価:☆☆☆☆(説明)
著者のデビュー作にしてベストセラーの「神様のカルテ」の続編。前作は、昨年の8月に映画化されている。本の方は、映画公開の時点で「150万部突破」と言っているから、すごい売れ方だ。本書も2010年の発売後4か月で70万部というから、恐らく100万部オーバーなのだろう。
主人公は、栗原一止(いちと)。松本市にある民間病院の内科のお医者さん。主な登場人物は、一止の妻のハルと、病院の医師や看護師らで、前作とほぼ同じ面々が顔を揃える中、病院に新しく医師の進藤辰也が赴任してきた。辰也は、なんと一止の医学部時代の(数少ない)友人の一人だった。
一止が務める病院は、「24時間、365日対応」という理念を掲げる。だから昼夜なくものすごく忙しい。患者のために..という理想はあっても、医師も医師である前に人間。妻や子どもと、患者や理想との間で綱渡りを余儀なくされるし、何より自分自身の健康を損ねかねない。
物語は、こうした医療の現場のテーマを、辰也を登場させて「(医師である前に)僕たちは人間なんだぞ」と言わせることで、改めて浮き上がらせてみせる。さらに、人の生死については、厳然とした限界があり、医師の「負け戦」もある。その「負け戦」の中で読者は、違った意味の「医師である前に人間」という声を再び聞くことになる。
泣き所が随所にあるので、涙腺が弱い方は注意。そして、爆笑を誘うコメントやシーンも、全く前触れなしに潜んでいるので、人前で読むときにはそれも注意。
最後に。前作のレビューにも書いたのだけれど、私は「死」を「感動」につなげることには否定的な意見を持っている。しかし、この物語については否定的なことを言うまいと思う。理由は上手く言えないけれど、医師でもある著者の「死」への想いが伝わって来るからかもしれない。
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またも 心温まる
小説「神様のカルテ2」を読みました。
著者は 夏川 草介
前作もいい話として読めましたが
続編となる本作も良いですね
何って 大きな変化はないですが
今回も感動ストーリーで
キャラはしっかりあり
読みやすいですね
全体として
毒っ気や面白味には欠けますが・・・……