杏のふむふむ

書影

著 者:杏
出版社:筑摩書房
出版日:2012年6月10日 初版第1刷発行
評 価:☆☆☆☆(説明)

 モデル・女優の杏さんの初エッセイ、初めての著書。杏さんは「本好き」で知られる。「本が好きな著名人は?」なんて話題が出ると、かなりの確率で杏さんの名前があがる。私はいわゆる「タレント本」にはあまり興味がないのだけれど、「本好きの女優さんの初エッセイ」には強く魅かれた。

 著者が本好きだからと言って、本をテーマにしたエッセイではない。著者が幼い頃から最近まで(ちなみに著者は現在26歳)に経験した「出会い」をテーマにしたものだ。小学生の頃の先生。モデルとして渡った海外、ニューヨーク、パリ、ミラノで出会った人々。女優として撮影現場で出会ったあの人この人。

 初エッセイだし、そのようなエピソードを選んだのかもしれないけれど、「出会い」には恵まれたことがよく分かる(なかなかハードな経験も含めて)。しかし「出会い」というのは、相手と自分の双方によって形作られるものだ。恵まれた出会いは、著者のまっすぐな人柄があってこそのことだと思う。それは、文章からも、直筆のタイトル文字とイラストからも伝わってくる。

 もちろん本の話題もちゃんとある。取り上げられた本の何冊かは私も読んだ、しかも結構好きな本だったので、何だかうれしかった。著者が「サカイ教授」と慕う堺雅人さんの本をはじめ、いくつか読んでみたい本があった。
 もっと本の話を聞きたいと思った。著者はJ-WAVEで「BOOK BAR」という番組で、パーソナリティを4年も務めていて、本を毎週紹介している。それなのに私が住んでいるところではJ-WAVEは入らない。残念。

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