著 者:三上延
出版社:アスキー・メディアワークス
出版日:2013年2月22日 初版発行
評 価:☆☆☆☆(説明)
人気ベストセラーシリーズの第4巻。帯に小さな字で「年間ベストセラー文庫総合1位(2012年トーハン調べ)と書いてある。それで、トーハンのウェブサイトを見てみると、「ビブリア古書堂の事件手帖(1)(2)(3)」が1位、2位は「1Q84 BOOK1〜3 前後編」。なんと村上春樹さんを抑えての1位。
3巻のレビュー記事に書いたとおり、2巻で一旦下がったテンションが、3巻で再び盛り上がった。4巻目の本書はその盛り上がりを見事に維持し、次巻以降へとつないだ。著者による「あとがき」によると、「この物語もそろそろ後半」だそうだ。まだしばらくはこのシリーズの人気が続きそうだ。
舞台も登場人物もこれまでと同じ。いや登場場面は少ないながら、重要な人物が1人増えた。篠川家の母が満を持して登場する。母の智恵子は、10年前に失踪したきりで、娘で店主の栞子との確執を匂わされていた。その智恵子が、冒頭のプロローグで早くも姿を現す(正確には電話の声だけだけれど)。
智恵子の登場以外に、これまでの3巻と違うことがもう1つ。これまでは別々の本をめぐる短編が連なる連作短編だったけれど、本書はシリーズ初の長編。江戸川乱歩作品のコレクションにまつわる、アイテムの探索と暗号解読。宗教は絡まないけれど、少しダン・ブラウンっぽい。
栞子によく似た容姿で、栞子にはない押し出しの強さを持った智恵子。この母娘の間には、反発と強い絆が共存している。ここからどんなドラマが描かれるのか楽しみだ。
月9でドラマを放映中。剛力彩芽さんの栞子は原作とはだいぶ違うし、設定もあちこち変えられているのは不満だし、3巻のエピソードまで使うのはやめて欲しい。でも、ドラマ自体は面白いと思う。
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「ビブリア古書堂の事件手帖4 〜栞子さんと二つの顔〜」 三上 延
古書にまつわる謎解きミステリ、ビブリア古書堂第4弾「ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)」を読みました。
今回いよいよ、謎に満ちた栞子さんの母親が登場。乱歩作品のコレクションにまつわる長編で、金庫に収められた乱歩ゆかりの品をめぐって、栞子さんと母親が対峙します。
これまでの「ビブリア古書堂シリーズ」では、失踪した栞子さんの母親・智恵子さんは、古書の知識と洞察力は栞子さん以上、けれど本のためなら犯罪まがいのことまで平気でやってのける、油断のならない人物と…
「ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~」
三上延「ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~」読みました。
ビブリア古書堂シリーズの4冊目です。
今回は、江戸川乱歩の本を題材とした長編で、読み応えがありました。
これまで謎だった栞……