貧乏人が激怒する新しいお金の常識

書影

著 者:午堂登紀雄
出版社:光文社
出版日:2013年2月20日 初版第1刷発行
評 価:☆☆☆(説明)

 出版社の光文社さまから献本いただきました。感謝。

 様々なお金に関する「常識」に異を唱える本。「日本経済」「投資」「家」「お金」の4つに分類して合計40個の「旧常識」を論駁してみせる。

 著者は「旧常識」には「亡霊型」と「洗脳型」の2つのタイプがあるという。「亡霊型」は時代の変化とともに陳腐化してしまったもの。「家」についての「持家は資産になる」という「常識」はこれに含まれるだろう。

 私は(多分著者も)要注意なのは「洗脳型」の方だと思う。これは誰かが意図をもって流布したもののことを言う。例えば「(このままでは)年金は破綻する」が「常識」になれば、年金支給開始年齢を上げたり、支給額を下げたりしやすくなる。真偽は分からないが、政府が意図的に喧伝した「常識」かもしれない。

 そもそも、著者がこの本を記した意図は、「自らの頭で考えよう」ということを訴えるためだ。「常識」を真に受けてしまうのは「思考停止」で、それでは「頭のいい人」たちに騙されてお金を失ってしまう、というわけだ。とくに「洗脳型」にやられてしまえば、一たまりもない。政府もマスコミも学者も、その発するメッセージが正確で公正とは限らない。いや、何らかの意図を持っていると思った方がいい。

 「激怒」するほどではないのだけれど、ちょっと過激な言葉で、庶民の気持ちをわざと逆なでする。特に第5章の「貧乏人は、貧乏になるべくしてなっていることを知る」はそうだ。でも、一番ためになったのもこの章だった。

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