著 者:三上延
出版社:アスキー・メディアワークス
出版日:2014年1月24日 初版発行
評 価:☆☆☆(説明)
人気ベストセラーシリーズの第5巻。「帯には累計550万部突破!」の文字が躍る。
3巻、4巻のレビューを読んだ方には繰り返しになるけれど、このシリーズは3巻目から俄然面白くなった。4巻はその盛り上がりを維持した。そして本書は...
4巻がシリーズ初の長編だったのに対して、本書はまた1編に1つの本にまつわる謎を追いかける連作短編に戻った。古書店の若い女店主の栞子が、溢れるほど豊富な古書の知識を使ってその謎を解く。それを主人公であるアルバイトの大輔の目を通して語る。
その見事な謎解きがこのシリーズの特長ではあるのだけれど、巻を重ねるとさすがに飽きてくる。3巻の盛り上がりは、それに加えて栞子自身にまつわるミステリーが、シリーズを貫く芯としてストーリーに絡んできたことによる。
そして、上の「そして本書は...」の続き。本書では維持してきたテンションを、フッと緩めた「転換」を見せる。栞子のミステリーについては一旦クールダウン。その代わりに、栞子と大輔の関係の大きな進展の予感で引っ張る。
「転換」と言えば、本書から各短編の後にこれまでにはなかった「断章」が付くようになった。そこでは、主人公の大輔がいない場面での栞子が描かれている。これがなかなか効果的だ。
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『ビブリア古書堂の事件手帖5 栞子さんと繋がりの時』 三上 延
『ビブリア古書堂の事件手帖5 栞子さんと繋がりの時』を読みました。
北鎌倉のビブリア古書堂で、本にまつわる謎を解く才能をもつ店主・栞子さんと、彼女を愛する店員の大輔。
栞子さんには、本を求めて失踪した母親がいますが、恐ろしく頭のきれる母親は、栞子さんと大輔を引き離し、自分のパートナーとして連れ去ろうとしています。
前回、大輔は栞子さんに告白したのですが、返事は保留。悶々としながらも素直に返事を待つ大輔。栞子さんは、返事をする前に、母親に会う決心をします。
母親の仲介役の人物から、会う…