著 者:ジェフリー・アーチャー 訳:戸田裕之
出版社:新潮社
出版日:2014年4月1日 発行
評 価:☆☆☆☆(説明)
「時のみぞ知る」「死もまた我等なり」に続く、超長編サーガ「クリフトン年代記」の第3部。巻末の「解説」によると7部で完結の予定だそうだ。つまりまだ中盤に差し掛かったところ、ということだ。
前作のラストは、バリントン家の莫大な資産の継承を巡っての、貴族院の審議の途中で終わっている。嫡子のジャイルズと、庶子(であるかもしれない)のハリー・クリフトンのどちらが正当な継承者か?投票の結果は273票対273票。結論は大法官の判断に委ねられた。
それを受けて、本作は大法官の逡巡と結論から始まる。まぁ、前作から引っ張ったものの結論は早々に出て、物語は新しいステージへ滑り出す。ハリーは新作のプロモーションのために米国へ渡り、ハリーの妻のエマは父の遺児を探すことに着手する。
その後、上巻では、ジャイルズの母の遺産相続や、庶民院議員選挙が、下巻では、ハリーの息子のセバスティアンを巡る騒動が描かれる。前2作と同様、いやこれまで以上に起伏が激しくテンポのいいストーリー展開で、著者の作品の魅力が良く出ている。
ところで、このシリーズでは、数人の登場人物の物語が、章ごとに入れ替わるが、「クリフトン年代記」と銘打っていることもあって、これまではあくまでも「主人公はハリー・クリフトン」だった。
しかし、本作ではハリーは脇役に引くことが多く、特に下巻はもうセバスティアンの物語と言っても過言ではない。もしかすると、ハリー以外の「クリフトン」も主人公となることで、長大な一族の物語になっていくのだろうか?
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リビングに置いてあった「時のみぞ知る」を ふと 読んでしまったのが6月初め。そこから一気に3部まで読んでしまいました。
ホントに起伏が激しくて ドッキドキ。
だけど 基本 勧善懲悪なので 無駄にドロドロした感情を持つことなく読めるのが いいですね。
今から4部を買いに行きます!
そして 著者の今までの作品も 読んじゃいます(^^)
Saimamaさん、コメントありがとうございます。
6月の初めに出会って、もう第3部まで読破ですか。
それは文字通り一気読みですね。
第4部もきっと期待を裏切らないと思います。
数えたことがないですが、著者の作品は20以上
あると思うので、これは当分楽しめますね。