著 者:メアリー・ノートン 訳:林容吉
出版社:岩波書店
出版日:1969年6月16日 第1刷 2004年4月5日 第13刷発行
評 価:☆☆☆(説明)
「床下の小人たち」「野に出た小人たち」に続く、「小人の冒険シリーズ」の3作目。ちなみに「床下の小人たち」は、スタジオジブリ作品「借りぐらしのアリエッティ」の原作。
小人のアリエッティと、そのお父さんのポッド、お母さんのホミリーの3人家族は、前作「野に出た小人たち」で、野外での放浪生活と様々な危険を潜り抜けて、親戚のヘンドリアリおじさん一家が住む小屋にたどり着く。本書はその続き。
再会を喜び合うポッドとホミリー、ヘンドリアリとその奥さんのルーピー。ただ、暮らしに余裕があるわけではないし、細かいことで関係がぎくしゃくする。再会の喜びとその後に続く同居生活は別のもの。この辺りは、妙にリアルな微妙な距離感の親戚関係が描かれる。
こうしたことを前段にして、物語は再びポッドたち3人家族を冒険に送り出す。ナイフの箱ややかんを船にした、水の上を行く冒険。危険と隣り合わせ。小さな動物も、雨降りでさえ、ポッドたちにはなかなか厳しい。でも一番危険なのはやっぱり人間。
3作目だけれど、巻を重ねるごとに躍動感が増している。ホミリーは気ままなところがあって、時々ちょっと困った人になるけれど、よくも悪くも「真っすぐ」な人なのだと分かった。そして一番カッコいいのは、困ったときにタイミングよく現れて助けてくれる人、ということも分かった。
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