著 者:森功
出版社:文藝春秋
出版日:2017年12月15日 第1刷発行
評 価:☆☆☆☆(説明)
表紙は、安倍昭恵さんのFacebookに「男たちの悪巧み」という言葉とともに投稿された写真。安倍総理と加計孝太郎さんの二人以外は暗く不鮮明に加工されている。サブタイトルは「「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞」
著者は(今となっては数多くの疑惑の一つになってしまったけれど)、下村博文さんが文科大臣時代の2年間に、下村氏の後援会組織主催のパーティ券200万円分を、加計学園が購入していながら、政治資金報告書に記載していない事実を明らかにしたフリーライター。本書で、大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞を受賞。
加計学園の問題については、面会した当事者の一方による文書が明らかになるも、安倍総理周辺のもう一方が「記録も記憶もない」と否定することが繰り返されている。中には「ふと思ったことを言った」、つまり「嘘ついてました」なんて人までいる。だから大体のところは「事実らしいこと」は明らかになっている。
その既に明らかになっている「事実らしいこと」を再確認するだけなら、あまり意味がないが、本書にはまだ広くは知られていない(少なくとも私は知らなかった)事実がたくさん記されている。これは、もっと共有すべき情報ではないかと思った。
例えば。加計学園問題は当初「第二の森友学園」と呼ばれていた。しかし安倍昭恵さんは、森友学園の小学校の名誉校長より前に、加計学園のこども園の名誉園長になっていた。昭恵さんは「見学に行ってみてはどうですか?」と、籠池夫妻にそのこども園を紹介までしている。森友学園は加計学園を倣った「第二の加計学園」だったのだ。
例えば。2004年に千葉県銚子市に加計学園の千葉科学大学が開校。この大学の開校に当たっては、内閣官房副長官だった安倍さんが、地元との揉め事の仲裁までしたと言われる。大学側は「将来の総理がバックアップする学校です」とPR。そして加計学園は、この大学新設の時点ですでに「獣医水産学部」を構想していた。
例えば。加計学園の小学校と米国の小学校の姉妹校提携に絡んで、安倍昭恵さんと下村博文さんの奥さんの今日子さんが、加計孝太郎さんとともに何度も訪米している。...。まだまだある。
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