3000年の叡智を学べる 戦略図鑑

書影

著 者:鈴木博毅
出版社:かんき出版
出版日:2019年12月16日 第1刷 発行
評 価:☆☆☆(説明)

 戦略を勉強する経営スクールの講座紹介パンフレットのような本。

 著者の鈴木博毅さんから献本いただきました。感謝。

 「孫子からGAFAまで」90分で読める戦略の「超」入門書。古代から現在までの全部で38の「戦略」を紹介。1つの「戦略」で紹介するポイントは、どれも3つだけ。「戦略」ごとに、概要紹介が2ページ、ポイントを1つ1ページで計3ページ、全部で5ページ。この繰り返しが読むリズムになってテンポよく読める。

 紹介される「戦略」は例として、孫子の兵法、君主論、カエサル、ナポレオン、クラウゼヴィッツ、ランチェスターの法則、トヨタ生産方式、ビジョナリー・カンパニー、ドラッカー、ポーターの競争戦略論、バーニーの企業戦略論、ブルーオーシャン戦略、戦略サファリ、ジェフ・ベゾス....。

 正直に言って「ポイントは3つ、ページ数は5ページ」では、それぞれの「戦略」は理解できないと思う。私は、突っ込まれることを考えて「知ったかぶり」さえ怖くてできない。それでも「この本は役に立つな」と思った。「あぁそうだったのか!」と思うページが度々あったからだ。

 例えば「ジェフ・ベゾス」のページの「アマゾンが売っているのは「モノ」ではない」。いや「モノ」を売っているのだけれど、それで儲けているのではないということ。アマゾンは「客がモノを買うときの選択・判断を助けることで儲けている」。とすれば、☆1つのネガティブなレビューでさえ、アマゾンの商品力になる。..なるほど。

 「入門書」の意味を考える。まぁある分野の「門に入ってすぐ」の場所で必要なことが書いてある本だろう。本書の位置は「門の外」だ。ここには中の紹介のポスターを貼った小さな門が38個並んでいる。気になった門をくぐるなら、巻末の「参考・引用文献一覧」の本を読むといい。それがたぶん「入門書」だから。

 漠として「戦略」を学びたい人とか、逆に具体的な問題意識があってその解決方を探している人は、ざっと目を通すつもりで読むといいかもしれない。1つや2つは心に引っかかる「戦略」があると思うので。

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