伝説の経営者たちの成功と失敗から学ぶ 経営者図鑑

書影

著 者:鈴木博毅
出版社:かんき出版
出版日:2021年6月7日 第1刷発行
評 価:☆☆☆(説明)

 偉大な経営者たちもスタート地点では偉大ではなかったと改めて知った本。

 著者の鈴木博毅さんから献本いただきました。感謝。ベストセラー「戦略図鑑」第二弾。

 19世紀のアンドリュー・カーネギー、ジョン・ロックフェラー、渋沢栄一といった、いまや物語(例えば大河ドラマとか)として語られる伝説の経営者から、現役のイーロン・マスク、マーク・ザッカーバーグを経て、ブライアン・チェスキーまで、国内外の名経営者30人をまとめた「図鑑」

 30人すべてに対して、「概要」「サクセス・ストーリー」「世界企業へのステップ」「悩みと答え」「成功のポイント」を3つ、コラム(マンガ)、の共通フォーマットで6ページで構成。コラムは失敗談や意外なエピソードを紹介している。

 例えば「本田宗一郎」。成功のポイントは「得意に飛び込む行動力」「徹底的なブルーオーシャン思考」「自分と違う人間と組み、違う才能を集める流儀」の3つ。コラムは、基礎知識がゼロで事業転換したために、貯蓄が底をつき、奥さまのものまで質屋に入れたエピソードを紹介している。

 本書のプロローグの冒頭に「みんなが、問題解決力を問われる時代に入った」とあって、誠にその通りだと思う。新型コロナウイルスのような、生活に広く大きな影響を突然与える事態には、だれかが問題を解決してくれるのを待っていては間に合わない。

 だからと言って、成功した経営者の話が何の役に立つのか?という疑問はある。伝説の経営者はもちろん、現役の経営者の成功談も、成功したとたんに過去になるのだから、それをマネしても成功しない。いやその前に、私が解決すべき問題は、経営者たちのそれとはまったく違う。

 それでも本書は有用で学ぶことが多い。それは問題に対する「態度」とか「考え方」とかだ。それらは問題に関わらず共通することがある。本田宗一郎の「行動すること」「ブルーオーシャン思考」からは「一歩踏み出す」という「態度」が、「自分と違う人間と組む」は仲間づくりの「考え方」が学べる。著者が「悩み」や「失敗」も紹介したのは、そこからも多くを学べるからだろう。

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