著 者:鈴木信行
出版社:日経BP
出版日:2019年8月26日 初版
評 価:☆☆(説明)
たぶん興味があって読み始めたのだと思うけど(よく思い出せない)、最後には疑問がたくさん残った本。
本書のきっかけとなった著者の認識は「50代に同窓会に行けない人が増えている」というもの。その裏付けとなるデータもある。温泉旅行の予約サービスの調査で、同窓会参加率が70代が62.2%、60代は42.5%なのに、50代は24.8%しかない。そして「同窓会に行かない理由」は、マイナビの調査で「自分に自信がないから」が第1位。
それで本書は50代に「自分に自信がない人が増えた」理由をあれこれと分析する。著者は日経ビジネスの副編集長で、記事のベースも同誌の企画なので、経済や企業経営、働き方などの視点で考察を進める。例えば「昭和の時代に比べて出世が難しくなった」とか。
「出世していない」からと言って「自分に自信がない」とは限らない。そこで著者は「起業」「好きを仕事に」「仕事以外の何かを見つける」という「自分に自信を持てそう」なことを挙げて、それも「難しくなった」とたたみかける。
本書の最初に「註」があって「著者が考察した個人的見解」とある。註なんてなくても書籍は基本的に「個人的見解」で、何を書いても自由なのだけれど、読んでいる間中「何か違うんじゃない?」という気持ちがしていた。その理由は何なのか?考えてみた。
そうするとドンドン遡って疑問が湧く。マイナビの「同窓会に行かない理由」調査は50代に限った結果ではないので、これを考察の基にしていいのか?ネットで調べると男性の第1位は「時間がない」だし、女性では第1位だけれど、これは「出世していない」などの仕事の視点だけで一面的に論じたら間違うのでは?
さらに「同窓会に行かない理由」を聞くけれど、「何かをしない」ことに理由は必要なのか?同窓会参加率の経年データはないので、今の60代、70代も50代の時は参加率が低かったのでは?ネットで調べると調査では「この1年の参加」の有無を聞いたようだけれど、同窓会って毎年やるもんなの?
最後は「同窓会に行けない症候群」というけれど、同窓会に行かないことは「病気」なのか?という疑問に行き着いた。同窓会に「行くのが当然」という考えが底に見える。「何か違うんじゃない?」の一番の理由はこれだった。
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私は、ほとんど、同窓会には行ってません。
中学のときの同窓会に、高校生の時、一度行ったことがあるだけです。
親しい友達とは、何度か個別に会ってるので
私は、それで充分。
行けないのじゃなくて、行かないんだけどな。
レビさん。
同窓会に行っていない人のだいたいの人は「行かない」だと思います。
だからこの本、ちょっとズレてるな、と...。
でも、私のことを言わせてもらいます。
レビさんとまったく同じで、私もずっと高校生の時に中学の同窓会に1回行っただけでした。
何年か前に、親しい人はあまりいない高校の同窓会に行ったんですけど、今では、あの時行ってよかったと思ってますよ。