著 者:パトリシア・A・マキリップ 訳:原島文世
出版社:東京創元社
出版日:2009年1月9日初版
評 価:☆☆☆☆(説明)
「本が好き!」プロジェクトで献本いただきました。感謝。
著者のパトリシア・A・マキリップは、米国人の女性で1975年に「妖女サイベルの呼び声 」で、2003年に「影のオンブリア 」での2回、世界幻想文学大賞を受賞している。幻想文学の名手といわれる息の長い作家だ。寡聞にして私は知らなかった。この書評を書こうとして気が付いたのだが、本書のどこにも著者の紹介が書かれていないが、どういうことだろう?知っていて当然?そんなことはないと思うのだが。
これはとても面白く読めた。舞台は12の邦国を従える王国の宮殿。主人公はその王立図書館で、翻訳の仕事をしている書記のネペンテス(和訳するとウツボカズラ、なんて名前なんだろう!)。彼女は赤ん坊のころ、宮殿のある断崖の縁に捨てられていた孤児だ。彼女が、持ち込まれた茨模様の文字で書かれた本の翻訳を進めることで、物語が進展していく。
物語全体を覆う雰囲気が幻想的だ。断崖に建つ巨大な宮殿、その地下深くにある迷宮のような石造りの図書館、森に隠された宙に浮かぶ魔術師の学院、そして三千年前に栄えたと言われる伝説の王国。この舞台装置を使って壮大な愛のドラマがつづられる。ネペンテスに恋する魔術師の青年の振る舞いだけが軽くて現代的だが、それも憎めない感じでいいアクセントになっている。
物語が終盤に差し掛かったあたりで、突然全体像が明らかになる。私は思わず「あっ」と小さく声をあげた。そして、それが明らかになった時点が本当のドラマの始まりなのだ。ファンタジー好きにはオススメだ。私はこの作品に出会えて良かったと思う。
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こんばんは^^ せどりんと申します。
せどりのブログを運営してるものですが、相互リンクお願いできますでしょうか? よろしくおねがいします<(_ _)>
せどりんさん、コメントありがとうございます。
ブログ拝見しました。「せどり」って面白そうなビジネスですね。
しかも、そこそこ稼げているみたいですね。
相互リンクの件ですが、誠に申し訳ないのですが、リンクは
「読書・書評」かお友達のブログに限らせていただいています。
ご期待に添えませんが悪しからずご了承ください。
「茨文字の魔法」パトリシア・A・マキリップ
[amazon] ネペンテスは王立図書館で拾われて育てられた孤児。今は図書館で…
YO-SHIさん、こんにちは。
マキリップの大ファンの四季です。
でも改めて考えてみると、マキリップ自身のことって
あまり知らないです。
もしかしたらそれほど色んなことを明らかに
してない作家さんなのかもしれないですね。
少なくとも私にはそんなイメージがあります…
いや、実際にはどうなんでしょう。(笑)
「妖女サイベルの呼び声」も「影のオンブリア」も
一読の価値がある作品ですので、ぜひぜひ読んでみて下さい。
絶対後悔させませんから。
特に「妖女サイベル」はハヤカワ文庫FTの001の作品なんです。
初版が1979年。
それでも今もまだ普通に入手できるんですよ。
これってすごいと思いませんか?
四季さん、コメントありがとうございます。
マキリップさんのこと、以前からご存じだったんですね。
私は、記事にも書いたとおり「本が好き!」でいただいだんですが
今回は、このプロジェクトにホントに感謝しています。
プロジェクトに参加していなければ、この作家さんの作品に
出会わなかったのではないか?と思うんですね。
何かこう鉱脈を掘り当てたような感じ、マキリップ作品を
辿っていけば、まだまだ楽しめるゾ、というワクワク感がします。
おまけに、四季さんからのオススメも教えていただいて...
「妖女サイベル」から読もうかな。
茨文字の魔法/パトリシア・A.マキリップ
茨文字の魔法/パトリシア・A.マキリップ
東京創元社/987円(税込)
●1月新刊文庫●
捨て子で王立図書館で育ち、書記となった娘・ネペンテス。ある日預かった一冊の茨のような謎の文字が綴られていた本に彼女は憑かれた。
そして謎の茨文字の解読をはじめる。
…
はじめまして、こんばんは。
趣味で小説かいてたりする田舎の書店員、ななと申します。
「妖女サイベルの呼び声」なつかしい~と思わずコメントのこしています。
小説かくにあたり、かなりの影響をうけました。
ああ、このタイトルを目にしただけで、ときめきがよみがえります!
「茨文字の魔法」私のつとめ先にも入荷しています。
か、買っちゃおうかな……。
ななさん、コメントありがとうございます。
「妖女サイベルの呼び声」について、期待が膨らむ一方です。
この前、行きつけの本屋で探したのですがなくて...
ななさんのお店にはありますか?やっぱりネット書店かな?
ななさんのブログ、ちょっとだけ拝見しました。
耽美的な異世界の物語。後ほどゆっくり読ませていただきます。