著 者:C・S・ルイス (訳:瀬田貞二)
出版社:岩波書店
出版日:1966年10月1日初版 1988年6月15日第22刷改版 1995年9月5日第33刷
評 価:☆☆☆☆(説明)
前号「朝びらき丸 東の海へ」から70年ほど後のナルニアの物語。
今回は、ユースチスとその学校の友達のジルが、アスランに呼ばれて行方不明のカスピアン王の息子リリアン王子を救いに行く。
ジルはアスランから、王子を救うための4つのしるべを教わるが、3つまでは失敗してしまう。そのために大変な苦労をするのだが、これも運命のようだ。
今回は、世界が奥地のほうへ広がる。巨人国や地下の「夜見の国」が登場する。(さらに地下深くには「ビスム」という地底世界があることになっている)
リリアン王子は、夜見の国の魔女に捕らわれていた。話の中ではこの魔女は、1巻に出てきた白い魔女と同じものということになっている。どうやら、魔女というのはこの世界の魔の力を象徴しているようだ。
リリアン王子を救出する際のなぞかけが二重三重で面白い。
王子は、「今から私は魔法をかけられるので、どんな望みを頼もうと、決して言うことを聞かないでくれ」と言い残して錯乱する。しかし、その錯乱状態こそが真の王子の姿なのだ。
もう一つ気が付いたことを。ユースチスとジルが通う学校というのは、新教育実験学校といって、古い教育を止めた自由な学校ということになっている。話の中では、この学校はあまり評価されていない。教育者でもある著者の新しい教育改革に対する批判によるものであろう。
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