著 者:ジュール・ベルヌ
出版社:福音館書店
出版日:1978年8月31日 第8刷
評 価:☆☆☆(説明)
SFの父、ベルヌの古典的名作。子供向けに書き直された本が多数出版されているが、これは原作に忠実に訳された700ページもの大作。(しっかりした本をつくる出版社、と図書館の人が福音館書店のことを言っていた。)
科学的な見地からも、緻密に書かれた(と思わせる)科学小説。ただし、海底の生物の描写が緻密なのは良いが、繰り返し繰り返し出てくるのは、はっきり言って苦痛だった。
それでも、確かに面白い話だった。特に南極の氷の下からの脱出の場面は、非常にスリリングで、息もつけないほど。
ネモ船長の正体が最後には分かるものと思っていたが、結局謎のまま。相当、現代社会に批判的だったけど、世を恨む認められない天才科学者か?(このくらいの想像は誰にでもできそうだ。あえて書くまでもないか。)
同名のディズニー映画があるが、原作とはかなり違う。映画では、ネモ船長の娘が出てきて、アロナックス教授と恋に落ちたりするが、原作にはない。また、アロナックス教授には父親がいて、父から認められないという設定もあるが、これも原作にはない。ディズニーらしい、ロマンスと成長物語の味付けをしたというところか。
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