今日は本のことではなく、新聞を読んでいて「おやっ?」と思ったことを書きます。
今朝の「天声人語」で、就職活動での「個性の封印」について書かれていました。その象徴として黒のリクルートスーツをあげています。そして「服装一つでも、同調圧力に抵抗力のある人は頼もしい...人との違いを楽しめる。そんな個性を応援したくなる。」と結んでいます。
「おやっ?」と思ったのは、その「天声人語」の右上にある「内定に近づくメーク」です。これは、新聞の中ほどにある記事で「誰からも好感が持たれる就活メーク」が写真付きで紹介されています。その写真の下には「就活には不向き」と書かれた「若い女性に人気のメーク」の写真。
一面では「個性を封印」する就活を嘆息しておいて、中面では「就活向きの化粧」を画一的に指南しているわけです。朝日新聞が嫌いな人には、批判のための格好のネタでしょうが、私は殊更に騒ぎ立てるつもりはありません。「これはタイミングが悪かったよねぇ」と思うだけです。
ある程度の年齢になると、下の年代を指して「個性がない」とか「個性を大切に」とか口にする人が多いです。私もその一人。そして「個性を大切に」ということを、何の疑いも持たずに正しいと思っている人も多い。
就職活動については私は、「個性を大切に」に、疑問や白々しさを感じます。もちろん「個性の封印」をあるべき姿だとは思いません。しかし、企業は面接で個性的だった人を採用するんですか?と、尋ねたらどんな返事が返ってくるんでしょう?