動きたくて眠れなくなる

著 者:池田貴将
出版社:サンクチュアリ出版
出版日:2012年4月15日 初版発行
評 価:☆☆☆(説明)

 出版社のサンクチュアリ出版さまから献本いただきました。感謝。

 著者のプロフィールの初めの段落に「アンソニー・ロビンズ直伝トレーナー」とある。アンソニー・ロビンズは、米国を始め各国の首脳らを含む世界のセレブを顧客に持つ、世界No.1コーチと呼ばれているコンサルタント。その人から直接指導を受けた、ということが大きな意味を持つようだ。

 自分の行動は自分の考えで決めている。でも実際に行動するかどうかも、うまくいくかどうかさえ、結局そのときの「感情」次第。ならばその「感情」をコントロールすることで、自分が望む方向へ自分自身を動かしていこう、というのが本書の基礎となる考えだ。

 「意味づけを変える」「感情は質問で変わる」「思い込みに気づく」など、全部で29個の項目について、如何に自分(相手)の感情を、よりよい方向に持って行くかが解説されている。著者が「実生活に使えそうなものだけを選りすぐった」というだけあって、即実行できそうなものが並ぶ。「あれもこれも」感があるが、それは仕方ないだろう。

 私が「なるほど」と思った項目を1つだけ。それは「ちゃんと言葉にする」。「もっと売上をあげたい」ではなく「あと10万円売上をあげたい」。「早く終わらせたい」ではなく「予定より5分早く終わらせたい」。明確な言葉にすることで、その実現に必要な知識や情報を引き寄せることができる、というものだ。
 確かに目標が明確でないと、実現方法も考えづらい。それに「早く終わらせたい」などは目標というより「悩み」や「不満」といった後ろ向きな感情を感じるけれど、「5分早く~」としただけで前向きになれる。

 まぁ乱暴に言ってしまえば、本書は「考え方次第であなたは変われる」という、ポジティブシンキング本だ。その手の本は沢山ある。「取り立てて目新しいことはなかった」という感想で済ましてしまうこともできる。でも、それではもったいない。
 こうしたものは、その言葉を必要としている人にしか届かない。逆に言えば、必要としている人には宝にさえなる。師匠ほどではないとしても、著者のセミナーにも多くの人が集まるのはそのためだ。

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