著 者:大沼紀子
出版社:ポプラ社
出版日:2011年6月5日 第1刷発行 2012年3月14日 第21刷
評 価:☆☆☆(説明)
高1の娘が持っていた本を借りて読んだ。どうやら評判が良いらしい。特設サイトによると、本書は22刷がかかったそうだし、第2弾が出てシリーズ化され、シリーズ40万部突破、とのこと。確かに売れている。
舞台はパン屋。「Boulangerie Kurebayashi」という名のそのパン屋のパンは、一口で魅了されるほどおいしい。一風変わっているのは、営業時間が午後11時から午前5時までということ。タイトル通り「真夜中のパン屋さん」なのだ。
パン屋を切り盛りするのは、オーナーの暮林陽介とブランジェ(パン職人)の柳弘基の2人。そこに飛び込んできたのが、暮林の妻の腹違いの妹だという、女子高校生の篠崎希実。この3人がまぁ本書の主人公。
本書は6つの章から成っていて、章ごとに完結する小さな物語と、全編を通して徐々に明らかになる大きな物語があり、連作短編形式になっている。章を追うごとに新たな登場人物が加わり、その登場人物が後の章でも大事な役割を担う。
この登場人物たちが、良く言えば個性的。ストレートに言えば変な人たちだ。誰も彼もが問題を抱えていて、傍目には幸せとは言えない。夜の街をウロウロしている小学生。ワンルームに引きこもるのぞき魔の男。ホームレスのニューハーフ。ただし「問題を抱えている」という点ではパン屋の3人も同じだった。
登場人物たちの何人かの境遇に、かなり厳しいものがあり「安心して読めない」というか、読み心地が悪い思いをした。しかし読み終わって見れば、ふんわりと暖かいなかなか良い物語になっていた。これは評判になるのも分かる。
表紙から受ける印象通りに、分類としてはライトノベルだろう。ライトというには少し重いテーマもあるし、描いている人間模様が少し奥深い。
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真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ
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◆真夜中のパン屋さん シリーズ
篠崎希美の登場シーンは、インパクトがありますね。
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希美の育った環境やこだまの育った環境も酷いですが
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子供を自分の欲のために引き取ろうとした人は
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もはや人とは言えない怪物でしょう。
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パン作りを通じて、二人の子供たちが人生を模索する…