著 者:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ (訳:田中薫子)
出版社:徳間書店
出版日:2001年10月31日初版 2001年12月20日第2刷
評 価:☆☆☆☆(説明)
ダイアナ・ウィン・ジョーンズのクレストマンシーシリーズの4作目。時系列で言えば、1番最初の物語になる。シリーズの他の物語ではクレストマンシーである、クリストファー・チャントの少年時代の話。その時のクレストマンシーは、ゲイブリエル・ド・ウィット。その前は、ベンジャミン・オールワージーと言うらしい。
シリーズ4作品中3作品を読んだが、これが一番面白い。ストーリーにムリや退屈なところがなく、ドラマティックでさえある。数多くの並列世界の成り立ちや、その間を行き来することなどが、とても分かりやすく描かれている。
他の作品で、クリストファーが銀に弱いことや、時々うわの空の表情になることなどの理由が明らかにされている。正直言って、うわの空になることには、もっと深い理由を想像していた。「退屈しているのがばれないように」というのがその理由なのだが、これでは納得いかない。退屈しているのはバレバレだし、確か他の本では、大事な話の最中にもうわの空になっていたように思うのだけれど。
成長物語や、人間ドラマ、裏切り、アクション、謎解き、と色々な要素があり、シリーズ4作目で完成されたと言うところか。
そう言えば、肉親に利用されるところなど、この次のクレストマンシーになるエリックの境遇とよく似ている。自分の能力に気が付かないところもだ。いや、人間の才能とはそういったものなのかも。
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