決戦!大坂城

書影

著 者:葉室麟、木下昌輝、富樫倫太郎、乾緑郎、天野純希、冲方丁、伊東潤
出版社:講談社
出版日:2015年5月26日 第1刷発行
評 価:☆☆☆☆(説明)

 「大坂の陣」をテーマに、7人の時代小説作家が書下ろし小説で競作。何とも贅沢な1冊。ちなみに本書は「競作シリーズ第2弾」で、第1弾は「決戦!関ヶ原
」。

 大坂夏の陣と冬の陣、その場にいた7人を主人公に、7人の作家がそれぞれ物語を紡ぐ。具体的には次のとおり。

「淀殿:葉室麟」「真田幸村:木下昌輝」「近江屋伊三郎:富樫倫太郎」「水野勝成:乾緑郎」「松平忠直:天野純希」「豊臣秀頼:冲方丁」「福島正守:伊東潤」(敬称略)

 言うまでもないことだけれど「大坂の陣」とは、1614年と翌1615年に行われた、徳川軍が大坂城を攻めた戦い。徳川と豊臣によって、日本中の大名、武将が召集された「最後の決戦」と言える。

 多くの武将らが、それぞれの立場でそれぞれの想いを抱えて戦った。それぞれの物語を積み上げることで「大坂の陣」を描く。本書はそういう試みで、それはとても成功していると思う。同じ戦いを7回描くのだから、同じ場面が何度も出てくる。ただ、視点を変えて描くことで、立体感が出てくる。

 もちろん、作家さんのそれぞれの特長も楽しめる。私は、福島正守を描いた伊東潤さんの作品がとても楽しめた。代わりに、私の個人的思い入れもあるため、木下昌輝さんが描く真田幸村像は、ちょっと不満が残った。

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です