十四の嘘と真実

著 者:ジェフリー・アーチャー (訳 永井淳)
出版社:新潮社(新潮文庫)
出版日:2001年4月1日発行
評 価:☆☆☆(説明)

 ジェフリー・アーチャーの短篇集。タイトルから推察されるように、14篇の短篇が収められている。
 訳者の解説によると、アーチャー氏は、「ケインとアベル」などの一代記、「大統領に知らせますか」などのポリティカルスリラー、そして短篇集という3つのジャンルを順番に書いているそうだ。そして、どのジャンルの作品でも、トリックやドンデン返しが氏の持ち味だと思う。
 その点、この短篇集はその持ち味があまり感じられない(「欲の代償」という一篇を除いて)。早くから結末が分かってしまうもの、トリックはあるもののすっきりしないオチで、切れ味が悪いものなど。消化不良というか欲求不満な後味が残った。短篇こそ、最後の切れ味が大切なのに。
 本短篇集は、実際の事件を基にしたものが多いらしく、そうした事情がストーリーの伸びやかさの足かせになったのかもしれない。

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