指輪物語3 二つの塔(上)

著 者:J・R・R・トールキン (訳:瀬田貞二)
出版社:評論社
出版日:1973年6月20日 1984年8月30日第9刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 指輪物語6分冊のその3。映画の第2作は既に公開になっているが、まだ見ていない。よって、予告編で明らかになってしまったことを除けば、予備知識なしで読んだ。気のせいか前の2冊より物語に没入できたように思う。
 この分冊は、3手に分かれてしまった旅の仲間のうち、アラゴルン、レゴラス、ギムリの組と、メリーとピピンのホビットのコンビの2組を追ったもの。映画の主人公であるフロドは登場しない。かなり、大胆な章の割り振りだと思う。
 「二つの塔」というタイトルの割には塔の場面はあっけない。 「二つの塔」のうちの1つイセンガルドのオルサンクの塔がエント族によって攻略される、映画の予告編のシーンはない。アラゴルンたちが着いたときにはもう落ちていた。そこにいたサルーマンも、元の白の会議の主宰者にしては、実にあっけなくガンダルフに杖を折られてしまう。
 ローハン国が登場し、徐々に世界が広がっていく。色々なことが徐々に明らかになってくる。主人公不在の進行は確かに辛いが、進展はある分冊。

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