指輪物語5 王の帰還(上)

著 者:J・R・R・トールキン (訳:瀬田貞二)
出版社:評論社
出版日:1974年12月20日初版
評 価:☆☆☆☆☆(説明)

 前冊から、まる1年待たされた当時の読者は辛かったろうと思う。なんせ絶望のままに放っておかれたのだから。
 ガンダルフが長駆ゴンドールまで行くところから、アラゴルンが救世主のように現れて、ミナス・ティリスを包囲するモルドール軍を打ち破り、続いてモルドールの黒門に兵を進めるところまで。
 この分冊は、合戦あり、ローハンの女騎士エオウィンの活躍やアラゴルンに対する恋心ありと、ドラマチックな盛り上がりが多く、映画向きだと思う。中でも、エオウィンがナズグルの首領を倒すシーンはゾクゾクしました。これまでは戦いのシーンが多く、主な登場人物が男ばかりで汗臭いお話でしたが、ここで救われた感じです。
 今回も、太古の人間の王との約束を果たさなかったために、眠ることを許されなかった死者たちを、人間の王としてアラゴルンが率いてきたり、普段は姿を見せない山の原住民がローハン軍に道案内したりと、多彩な登場人物が現れる。
 今までの中で(特に前冊との比較で際立って)展開が速い事もあって、最も読ませる一冊。

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