著 者:C・S・ルイス (訳:瀬田貞二)
出版社:岩波書店
出版日:1966年8月1日初版 1986年6月10日第22刷改版 1995年6月15日第33刷
評 価:☆☆☆☆(説明)
前号「カスピアン王子のつのぶえ」から3年後のナルニアの物語。カスピアン王子がおじのミラースが追放したナルニアの7卿を探す東の海への旅。人間の世界からは、ルーシィとエドマンドの兄弟と、いとこのユースチス。
7人の卿を探す旅は、世界の東の果てにあるというアスランの国への旅にもなる。今回の物語は、著者の宗教観が色濃く反映されているように思う。
旅の最後に水の壁の向こうにそびえる大山脈が見え、それがアスランの国らしい。もの言うねずみのリーピチープは一人、皮舟に乗り水の壁を登って向こう側へ消える。これは、指輪物語にも見える西方浄土思想だと思う(今回は東方だったけど)。また、この水の壁の手前は、白いハスの花が一面に浮いている。これは仏教的だ。
また、いやなやつだったユースチスは、竜になってしまったことから、いいやつに変わってしまう。竜が出てくるあたりは西洋のファンタジーの王道かも。改心するというのも、第1巻のエドマンドのように定番かも。その他に、星が地上に降りてなった人とか、海底人、奴隷商人、魔法使いなどが登場、島々を巡る旅など、ベルヌやスウィフトなど、西洋の古典のエッセンスが詰まった感じの話だ。
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