チェンジモンスター なぜ改革は挫折してしまうのか

書影

著 者:ジーニー・ダック (訳:ボストン・コンサルティング・グループ)
出版社:東洋経済新報社
出版日:2001年12月23日発行
評 価:☆☆☆☆☆(説明)

 とある講演会で「改革を導入した当初は、導入前よりも生産性が落ちてしまう時期があるが、そこで踏ん張って続けることで、ようやく改革の成果を得ることができる。生産性が落ちたことで弱気になって止めてしまう例が多い」という話のなかで、チェンジカーブなる曲線を見た。いや、正確にはそういう名前が付いていたかどうかわからない。その曲線について調べていたところ見つけた本。
 巻末に、訳者であるBCGの日本法人が加えたと思われる、日本型チェンジモンスター(改革を阻害する怪物)が面白い。
タコツボドン:自分の担当を超えた視野を持たず、「よそ者」の関与を否定する。
ノラクラ:さまざまな言い訳を使い、あの手この手で改革を回避しようとする。
カイケツゼロ:課題の指摘やできない理由の説明は巧みだが、解決策は出せない。
などなど。うちの職場のあの人は○○だ、などと言って盛り上がれること間違いない。

 残念ながら、これらのモンスターは本編には登場しない。しかし、大変に示唆に富んだ内容だ。参考になった点を思いつく順にあげる。
・もし制限なしでなんでもできると仮定してやることをあげてから、アクションプランを検討する。制限があればそれを克服する方法を考える。
・必要なことは、コミットメントとコミュニケーション。こちらが思う以上に相手は情報を必要としている。
・絶えず関わり続けること。情報を共有すること。感情を甘く見ないこと。

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です