著 者:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ (訳:野口絵美)
出版社:徳間書店
出版日:2003年12月31日初版
評 価:☆☆☆☆(説明)
1984年の作品、1985年の「世界ファンタジー大賞」にノミネートされ、1992年にBBCでテレビドラマ化されている。このテレビドラマはDVD化され、日本語訳もついて手に入れることができる。
とにかく面白そうな設定を詰め込んだ、という感じのストーリー、楽しめる。
主人公はハワードというごく普通の少年。少し身体が大きくて、腕っぷしには自身があるらしいが、特に何かの能力があるわけではない。
それに対して、登場する魔法使いたちは個性的だ。7人兄弟で、電力、警察、音楽、教育、交通、下水、犯罪などと、分担してこの町を影で支配している。そして、仲がすごく悪い。多くは性格もすごく悪い。何人かは世界制服までたくらんでいる。
その7人だが、どういうわけか作家であるハワードの父が書く2000語の原稿が原因で、この町を出られないらしい。そこで面白いのが、父さんの原稿を手に入れるために魔法使いたちがやるいやがらせだ。電機ガスを止めてしまうやつ、家の前の道で工事を始めて穴を掘るやつ、楽団を送って延々と演奏をさせるやつ。
家の前にいきなり楽団が来て演奏を始め、チアリーダーが踊りだすなんて、想像するだけでも愉快だ。魔法を使えるんだから、もっと効果的に言うことをきかせる方法があるだろうに。
伏線あり、あっと驚く展開ありで楽しめる。
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