著 者:綿矢りさ
出版社:河出書房新社
出版日:2003年8月30日初版 2003年10月20日10刷
評 価:☆☆☆(説明)
2004年の芥川賞受賞作。当時19才で最年少受賞。そういうことで手に取ってみた。
主人公はハツ、高校1年生、陸上部、クラスでは浮いている。「適当に5人組を作れ」と、先生に言われると余ってしまうようなヤツ。そして、クラスでもう一人余ってしまうのが、にな川、もう一人の登場人物だ。この2人が中心となってストーリーは進んでいく。
にな川という男はおかしい。モデルの「オリちゃん」のファンなのだが、ケースにぎっしりと「オリちゃん」の記事やらグッズやらを入れていて、それが彼の生きがい。
ハツの方も相当おかしい。にな川の背中を見ているうちに蹴りたくなって、本当に蹴っとばしてしまったのだから。
そして、おかしい者同士が惹かれあったのかというと、そういうことでもない。なにせ、にな川は、「オリちゃん」以外の女性には興味がないのだから。
どうも、自分が常識人として年をとってしまったのか、高1の女の子が、にな川のような変なヤツの家にノコノコとついていくか?とか、展開に疑問を持ってしまうため、読んでいて何だか居心地が悪かった。
明るいばかりの青春物語が巷にあふれているので(もちろん、それぞれの話にはそれなりに悩みや問題は含まれているのだけれど、多くは解決するし)、こういった2,3回ひねった青春に妙なリアリティがあるのかも。
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この本最近読んだんですが、本当の自分と実際の自分の乖離に悩んでいるからこそ、全く周りに興味がないにな川にハツは嫉妬したのかなと自分は解釈しました。
昔ちょくちょくコメントしていたJohnです。覚えていらっしゃいますでしょうか?厚かましいお願いですがまたブログ再開したので相互リンクさせていただけたら幸いです。早いもので4月から社会人になります。部署しだいでは本に関わることができる会社に就職することになりました。
Johnさん、コメントありがとうございます。
何年か前に学生さんの時にコメントいただいたジョンさんですね。
4月から社会人とのこと、おめでとうございます。ご活躍を期待しています。
ブログを再開されたそうで、そちらも良かったですね。
右サイドバーのリンクリストに、Johnさんのブログ「福岡の馬鹿力」を
加えました。