著 者:ポールスチュワート 訳:唐沢則幸
出版社:ポプラ社
出版日:2006年5月第1刷
評 価:☆☆☆☆☆(説明)
訳者あとがきにもあるが、シリーズ中1番の出来だ。後半部分の自由の森の攻防戦は圧巻だった。敢えて触れられていなかった主人公ルークの素性も明らかになる。もちろん、ある程度は展開が予想できる部分もあった。「これは後のための伏線だろうな」と感じるところが何箇所かあり、実際そのようになった。しかし、それも謎解きの楽しみであって、ストーリーの起伏を邪魔したり、退屈になったりするものではなかった。
今までの巻で、気になっていたことが1つあった。それは、結構人が死ぬことだ。戦争のシーンではたくさんの人が死ぬのだが、それとは別に、主人公の周辺の人がよく死んでしまう。それも、その死に何か意味とか、ストーリー上の必然性とか、そういうものがないままに。
今回も、人が死ななかったのではない。しかし、その死には大きな意味があった。不謹慎な言い方で恐縮だが、その死によって物語りは大いに盛り上がった。
この巻で、ルーク・バークウォーターの話は落着のようだ。父子の確執などの様々な伏線もきれいに整理された。あいまいなのは、以前の主人公トウィッグの出自のあたりだ。次巻からはそれが語られるようだ。
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