バーティミアス サマルカンドの秘宝

著 者:ジョナサン・ストラウド 訳:金原瑞人、松山美保
出版社:理論社
出版日:2003年12月第1刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 舞台はロンドン。時代は現代。しかし、政府の要人は首相を含めて全て魔術師によって占められている。魔術師こそ、力と知性を兼ね備える優秀な人種だと、少なくとも魔術師たちは思っている。
 しかし、魔術師たちが使う魔法の数々は、彼ら自身が起こしているのではなく、彼らが召喚した悪魔(その力によって、インプからマリッドまで何段階かに分けて呼ばれる)に命じてやらせている。一般人には悪魔が見えないので、魔術師自身がやっているように見える、という世界のお話。

 主人公は、魔術師修行中の少年ナサニエルと、少年が召喚したジン(悪魔の呼び名の1つで中クラスの力を持つ)のバーティミアス。章によって、バーティミアスの一人称で語られる。
 物語は、ナサニエルの子どもっぽい復讐心から、バーティミアスに命じてある秘宝を盗み出したことから、大きな陰謀に巻き込まれて展開する。前半にやや冗長だったり、時間が遡ったりしてやや読みづらいところもあるが、事態がはっきりしてからは勢いが増して、一気に読ませる。面白い。

 主人公の少年の境遇には同情するが、軽率さや傲慢さが気になる。すくなくとも感情移入するのは難しい。それが気になりすぎると楽しめないかも。

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