バーティミアス ゴーレムの眼

著 者:ジョナサン・ストラウド 訳:金原瑞人、松山美保
出版社:理論社
出版日:2004年11月第1刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 前作から2年後、舞台も登場人物も同じ。主人公の1人ナサニエルは、前回の手柄を認められて、14才にして政府の要職に就いている。なかなか見込みのあるやつではあるし、頑張ってもいる。彼がいなければ今回の事件も解決しないのだが、活躍したとは言えない。

 もう1人の主人公、ジンのバーティミアスは、またもや飄々とした活躍をする。そして、今回から主人公と呼べる登場人物が1人増える。前作にも登場しているが、多くのことは謎のままだった少女キティだ。
 この子の参加によって、物語はぐっと深さを増す、そして複雑にもなる。キティはある特別な能力を持つが、魔法使いではなく一般人だ。この世界では一般人は虐げられて生きている。キティ自身にも、魔法使いやこの世そのものを恨むに足る経験がある。そんな彼女が起こす周囲から浮き上がった行動から目が離せない。

 物語は、ナサニエル+バーテミアス組のストーリーと、キティのストーリーが時に重なりながら並行して進む。そして、最後の事件解決のカギを回したのはキティ。しかし、ナサニエルはそんなことには全く思い至らず、自分の手柄だと思っている。
 あぁ、ナサニエル君よ。それじゃダメだよ。

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