夢の守り人

著 者:上橋菜穂子
出版社:偕成社
出版日:2000年6月第1版
評 価:☆☆☆(説明)

 守り人シリーズの第3弾。今回の舞台は再び新ヨゴ皇国。登場人物も、ほぼ第1巻ろ同じ顔ぶれ。第2巻で舞台が違う国になってしまったので、新しい物語と登場人物を求めて、色々な国に行く旅物語形式なのかと思った。同じ顔ぶれでは、不思議な物語も作りづらいたろうから、と。しかし、著者にとってはそうでもなかったらしい。ちゃんと1巻とのつながりも確保しながら、不思議な物語を紡ぎだしている。

 今回の不思議世界は「夢」。人は夢の中では一切のしがらみから解き放たれる(実際には、現実の世界と同じように苦労している夢を見ることもあるけど)。精神世界を研究している人の中には、夢というのは魂の世界での連絡方法だと言う人もいるようだ。この物語もそう。夢というのは、魂が別世界へ言っている状態ということになっている。

 現実に大きな問題を抱えてしまうと、夢の世界から戻りたくなくなり、目覚めなくなってしまう。戻ってこなくなった魂たちを救うために、現実世界ではバルサが、魂の世界ではタンダとトロガイ師が活躍する。

 この世の中は、水中の気泡のように近づいたり離れたりしているたくさんの世界の1つ、というのが、このシリーズの世界観だ。時々2つの世界が行き来できるほど近づいた時に不思議なことが起きる。現実の不思議事件もそうして起こるのかもしれない。

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