バーティミアス プトレマイオスの門

著 者:ジョナサン・ストラウド 訳:金原瑞人、松山美保
出版社:理論社
出版日:2005年12月第1刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 バーティミアス3部作の最終部。前作のゴーレム事件から3年、主人公のナサニエルは、17才にして情報大臣という政府の要職に就いている。首相の覚えも良く、若さと自身に満ちていて女性の人気も高い。
 もう1人の主人公、バーティミアスの方は調子が良くない。ナサニエルにコキ使われてボロボロになっている。そんな状態で、大事件が起きる。

 前2作は、それぞれが一件落着の物語でありながら、いくつかの謎が残っており、それが今回の物語の伏線にもなっている。例えば、第1作で、4人の魔法使いが共謀して、強力な悪魔を召喚しているが、その内の1人は見つかっていない。第2作で、少女キティをレジスタンスに引き入れたホプキンスなる人物も、レジスタンスを影で支援している人物もその正体が分かっていない。
 そして、主人公ナサニエルは、これまでのところ悪人とは言えないまでも、他人に支えられていることに全く気づかず、自分の成功に酔っていて結構いけ好かないやつのままだ。このままシリーズを終えてしまうのか?ということも記になるところだ。

 第3部の本書では、こう言ったことに答えてくれる。そして、起きる事件もスケールが大きく、3部作の締めくくりにふさわしい展開となる。一歩間違えば、というか、ほとんど世界の崩壊寸前の事態を招いてしまう。愚かな驕り高ぶった魔術師たちのために。

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