著 者:川島和正
出版社:アスコム
出版日:2008年9月12日発行
評 価:☆(説明)
「本が好き!」プロジェクトで献本いただきました。感謝。
本書は、タイトルのとおり「楽して成功しよう」というコンセプトの本である。帯には、「勉強しないで」有名大学に入学、「努力しないで」会社で出世、「ほとんど働かないで」年収1億円、「自動的に」異性が集まってくる、「ガマンしないで」健康的な体に、とある。これを読む限りは、「~しないで」願いを叶える方法が書いてある..ように見える。
「成功したい」という気持ちは多くの人が持っているだろうし、それが楽にできるんだよ、と言われれば心が動く。著者自身が年収1億円を達成しているとなると、さらに気持ちは揺れる。著者の前作が25万部のベストセラーになったのは、こんな心理が増幅されて引き起こした現象なんだろうと推察する。
それで、上の段落で「..ように見える」とわざわざ振ったのは、もちろんそういったことが書かれていないからだ。正確には「勉強しないで有名大学に入学」だけは、著者自身が国立大学に入学したという方法が書いてあった。「誰にも想像できない方法」と著者が言うとおりに奇抜な方法だ。ここでは、あえて紹介しない。しかし、日本中の受験生の共感はあまり得られないだろう。
タイトルや帯の内容が書かれていない代わりに、本書にはごく普通のビジネス本によくある管理手法が書いてある。つまり、夢や課題を書き出す→それらをよく吟味する→個々の行動にブレイクダウンする→タイムテーブルに落とし込む→実行、という具合だ。
特徴的なことがないわけではない。それは「前に同じ夢を叶えた人の行いを、徹底的にマネする」ということ。「こうしたらいいかも」という自分なりの考えは「まったく当てにならない」そうだ。 見本になる人は、本屋で探せばよほどマニアックな夢でない限り、その人が書いた本が見つかる。もしダメならインターネットで検索したり、情報商材を探せば高い確率で見つかる、と著者は言う。
この本を読んで私が得たものは、「楽して成功」なんてことは言葉とは裏腹にそう簡単なことではない、という考えを新たにしたことだ。著者の本がベストセラーで、年収1億円、というのはウソではないのだろう。その人がどんなことを書いたのかを、どうしても知りたいのでなければオススメはしない。
ここから先は、書評ではなく、本書のプロモーションについて、思ったことを書いています。
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(たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)
ちょっと、皆さんのお考えを聞きたくて書きます。
私は、書評をブログに投稿した後に、同じ本の書評が最近投稿されていないかどうかを確かめるようにしています。それは、同じ時期に同じ本を読んだ方がいれば、コミュニケーションを図りたいと思って、コメントやトラックバックを送ろうと考えているからです。
そして、本書の場合も同じ様に本書に関するブログ記事を検索しました。すると、大量の記事が検索されました。さすがにベストセラー作家だと思いました。しかし、記事を読んでいて奇妙なことに気が付きました。「こんなに、お得な本は滅多にありません。」で終わる記事がとても多いのです。
よく見ると、それらの記事は終わりだけでなくて、全文がほぼ同じ。一言一句違わないものも多数あります。Googleのブログ検索で「"楽して成功できる非常識な勉強法" "お得な本は滅多にありません。"」で検索すると、現在は131件検索されます。そのほとんどで同じ文面が掲載されています。
少しネットに明るい方でしたら、ここまでで思い当たるでしょう。これは、ブログの口コミの力を利用したプロモーションの結果です。現に本書のウェブサイトで、ブログやメルマガなどで本書の紹介をした人に対する「無料CDプレゼント」が行われていて、例の紹介文もそこに「紹介文例」として掲載されていました。
ブログを使ったプロモーション自体には異論はありません。「紹介文例」を示すことも、「紹介方法が思いつかない場合は参考に..」と書いてあるので、著者には「記事の内容は強要していない」という言い分があるでしょう。ですから私は、著者側には敢えて何も言いません。
私が聞きたいのは、紹介文例をそのまま載せている多くのブログのことなのです。自分の意見でないものを載せて抵抗はないのでしょうか?ブログを読む人は、そのブログのオーナーなりの投稿者の意見としてその記事を読んでいるはずです。繰り返しになりますが、自分の意見でないものを自分の意見として読まれても良いのでしょうか?
「モラル」などと偉そうなことを言うつもりはありません。私にも小さな欲があって、こづかいになればと思いアフィリエイト広告を貼っていますし、タダでくれるものは欲しくもなります。だから、何かをもらうために記事を書くこともあるかもしれません。しかし、自分の意見でないものを自分の意見として書くことは、どうにも想像できないのですが、いかがでしょう?
こんばんは.
またお邪魔します.
紹介文の件についてですが,YO-SHIさんが疑問を感じた点は
1) 自分の本意でない意見を自分のものとして公開する行為.
2) 他人の意見を自分の意見として偽って公開する行為.
の2点ではないかと推察しました.
いずれの行為にしても,ブログを書くにあたり自分の意見をwebを通じて広く公開しているという自覚,あるいは公開したいという欲求を,あまり持っていないために行われるのでしょうか.そのような方々は「自分の意見」をさほど重要視しないと考えられるので,1)2)ともに特に問題と考えることも無いのでしょう.ブログへの関わり方も人それぞれいろいろあるので,もちろんケチはつけられないですが,2)に関して言えば場合によっては著作権を侵害しかねませんので,問題ですね.
私としては,もし紹介文をコピーしてくるにしても,どこからどこまでを引用し,それについて自分がどう思うか,賛成か,反対か,部分的には賛成です,とか書けばよかったと思います.特に2)のケースで言えば「本書のwebサイトではこのような紹介文が掲載されており,自分もこの紹介文には大賛成であります.おすすめです.」とか書けば,それは立派な書評では無かったかと.
長くなりましたが以上です.的外れでしたらすみません.
レビュー関係のブログは特に、「この本の情報が欲しい」と検索して記事単位で
読む人がかなり多いんでしょうね(特に、自分の経験からそう思います)。
レビューを書く人の中には、アフィリエイトなどで本気で稼ぐことを目的に運営している人も多いので、
そういうスタンスのブロガーさん(程度差は色々ありそうですが…)にとっては記事の作成は、
特定の常連読者に向けての情報発信ではなく、懸賞に応募する感覚に近いのではないかと思います。
(例文を載せる主催者側もそれを意図してるみたいですね、コレは…(・―・; )
今度からレビューを検索するときはテンプレかもしれない、と思いながら読むことにします。
情報を発信する側も検索する側も、目的に応じて色々と工夫が必要ですねー(^-^;
YO-SHIさんは、辛口意見もしっかりと書かれていて素晴らしいと思います。
本を選ぶ時には、具体的な批判を含むレビューがとても参考になります。
これからもYO-SHIさん応援してますよー!
kovaさん、コメントありがとうございました。
的外れなんてことは全くありませんよ。私の言いたいことをうまくまとめていただいて、ありがとうございます。
今回の場合は、著者側が使ってくださいと言っているので、2)の著作権に関する問題はあまりないのですが、つい先日、人気の書評ブログの記事と私の記事をまる写ししたブログを発見したところです。プロバイダに連絡したところ、素早い対応でアカウントが削除され、この件は解決したのですが、あまりに大胆な盗用に驚きました。
—-
liquidfishさん、コメントありがとうございました。
懸賞に応募するような感覚、アフィリエイト狙いが主のブログではそういった考えもあるでしょうね。記事を書くことは、できれば省力化したい作業、ということでしょうか。
「テンプレかもしれない」と思ったら、書評なんて真面目に読めなくなりそうですよね。実は、私が一番気になっているのはその点なんです。ブログの情報が胡散臭いものだと思われてしまったら(今でもそういった意見もありますが、より一層そうなったら)、私のように普通の人間が情報発信できる技術をせっかく手に入れたのに、それを貶めてしまうことになると思うのです。
応援ありがとうございます。とても心強く感じます。
始めましてmercといいます。
楽して成功できる 非常識な勉強法面白そうですね。
レビューを読んでいて読みたくなりました。
さて、実は私もブックレビューをやっていて今の本の売り方
「アマゾンキャンペーン」や「レビューキャンペーン」に疑問を持っています。
はっきり言って売上げ操作の側面もありますからね。
いまあるビジネス書を書いている方とブログで論争もしています。本当のべストセラーとはについての記事を書いています。
良かったら遊びに来てください。
一人で見る夢は、それは夢… エドアルド・ガレアーノ(ブラジルの詩人)
一人で見る夢は、それは夢にしか過ぎない。しかし、みんなで見る夢は現実となる。
楽して成功できる 非常識な勉強法
書評リンク – 楽して成功できる 非常識な勉強法
mercさん、コメントありがとうございます。
mercさんのブログ拝見しました。本の著者との直接の意見交換は
刺激的ですね。いい勉強になりました。
「アマゾンキャンペーン」等には、私も疑問を持っています。
しかし、仕掛けるほうには多くを期待できない、とも思っています。
売ることが目的であって、それに叶えば採りえる手段は採るでしょうから。
ありきたりで投げやりな感じがして、好きな言い方ではないのですが、
消費者が目を養うしかありません。
「お金がザクザク集まって来る魔法のペンダント」なんて広告を
今でも目にしますが、多くの消費者は、それを本気で受け止めたり
していないと思います。
同じ様に、このままでは「アマゾンの売上1位はあてにならない」って
いうことが常識になってしまうかも。
そんなことにならない方が良いのですが。
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