王国の鍵1 アーサーの月曜日

書影

著 者:ガース・ニクス 訳:原田勝
出版社:主婦の友社
出版日:2009年4月30日 第1刷発行
評 価:☆☆☆☆(説明)

 主婦の友社さまから献本いただきました。感謝。

 著者の作品を読むのは初めてだ。少し調べてみると、「古王国物語」シリーズ、「セブンスタワー」シリーズの著者。この2つの書名は、図書館の書棚で見た覚えがある。そして、本書から始まる「王国の鍵」シリーズは、米国で2003年から毎年1巻ずつ現在までに6巻出版され、その全巻がベストセラー250万部突破という、「超弩級人気新シリーズ(帯の惹句から)」だそうだ。

 主人公はアーサー、7年生というから日本では中学1年生の少年。舞台はおそらく現代の米国。新しい学校に転校してきた初日、長距離走の授業中に、アーサーの前に車椅子に乗った男とそれを押す執事風の男が現れる。それからというもの、不気味な連中につきまとわれ、町は「催眠ペスト」と呼ばれる奇病に襲われる。
 アーサーにはぜんそくの持病があって、後になって分かるのだが、その病気ゆえに「偶然に」創造主の遺志を守り、世界を司る「ハウス」を支配する後継者に指名されたのだ。身の回りに起こる不吉な出来事は、すべてこのことに関連している。彼は街を奇病から救うために「ハウス」に単身乗り込んで行く。

 原題は「The Keys to The Kingdom」。「王国の鍵」としても間違いではないが、アーサーが赴く「ハウス」は、どこかの王様が治める王国ではない。「Kingdom」に含まれる「神の国」という意味合いもあると見るのが正解なのだろう。なぜなら「ハウス」は創造主がお造りになられた場所で、そこの人々は人智を超えた者たちだからだ。
 さらに副題「アーサーの月曜日」の原題は「Mister Monday」。これから想像するに、MondayからSundayまでの7つの物語がありそうだ。つまり、本書は神の領域で起きる事件に少年アーサーが立ち向かう長い物語の序章。序章としては充分な盛り上がりと魅力に満ちた本だ。まだ活躍が予想される魅力的なキャラクターもいるし、次の事件を知らせるベルはもう鳴っている。次巻(7月25日発売) 以降が楽しみ。

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2つのコメントが “王国の鍵1 アーサーの月曜日”にありました

  1. ねこのて

    こんにちは(^^ゞ

    「セブンスタワー」を一回、読んでみよう!と手にはとったのですが
    その時にはけっこうは巻数が出ていて根気が続かず断念^^;

    でも、こちらなら読めそう!
    チェックしてみます(^^ゞ

  2. YO-SHI

    ねこのてさん、コメントありがとうございます。

    「セブンスタワー」は、表紙や背表紙がカラフルで
    目を惹いていましたが、ちょっと読むに至りませんでした。

    この「王国の鍵」シリーズは、どうやら4カ月に1巻の割合で
    出るようです。次は今月その次は11月、と3巻までは予定が
    決まっています。
    読むのにはちょうど良いぐらいのスケジュールではないで
    しょうか?
     

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