「場回し」の技術

書影

著 者:高橋学
出版社:光文社
出版日:2009年7月25日
評 価:☆☆☆(説明)

 著者の高橋学さんからいただきました。高橋さん、どうもありがとうございました。

 著者は「やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている」の共著者でもある、この本はその前の「結局「仕組み」を作った人が勝っている」と合わせて7万部というから、ベストセラーと言っていいだろう。
 テーマを設けて多くの取材を行い、それに考察を加えて読者に届ける姿勢は、とても誠実だ。公式サイトの著者紹介によると、著者の肩書は「ビジネススキル発掘ライター」。ご自分の立ち位置が明確な良いネーミングだ。

 今回のテーマとなっている「場回し」とは、テレビ業界で使われる用語だそうだ。「場回しがうまい」とは「うまく仕切る」こと。トーク番組などの司会者の仕事ぶりを評するときに使われる。
 これをビジネスの場などに転用して、「3人以上」が集まる場で「全員」が1つの目的・目標に向かって「ポジティブ」に参加している状態、をつくる技術を紹介している。「場回し名人」と呼ばれる達人からの取材で得た技は27個。使える場面は「会議」「セミナー」「チーム」「飲み会」と大変幅広い。

 書かれているものの多くは「場回し」ならぬ「気回し」の技だ。例えば、表情やしぐさを見て付いて来ていないと思ったら重点的に質問する「ピンポイントケア」、気の合いそうな者同士を近くに座らせる「プロファイリング席次」。「目配り・気配り」なんて「気回し」そのものの名前の技もある。
 「こんなの思いもよらなかった」という技は多くないが、大事なのは目新しい知識を仕入れることではなく、自分で使ってみることだ。私も講演やセミナーの講師をするし、小さいながらも施設の責任者に収まっているので、まずはチームワークに大切な「アクティビティ」あたりから使ってみようと思う。

 使ってみる、という意味では、著者は「場回し名人」からの直伝の技を実際に使い、それをレポートしている。その結果、この道をきわめつつあるそうだ。新しいスキルを身につけてさらに有益なビジネススキルを発掘して欲しい。期待してますよ、高橋さん。

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4つのコメントが “「場回し」の技術”にありました

  1. 高橋学

    『「場回し」の技術』の著者の高橋です。
    ご紹介いただき、有難うございます!!
    ポイントを押さえた書評、非常に興味深く
    読まさせていただきました。

    既知のものもあるかと思いますが、
    参考になるものがあれば、
    ぜひ実践していただければと思います。
    アクティビティはいいですね!
    無料セミナーなども開かれているので、
    一度参加されることをオススメします!

    http://www.shiteiru.co.jp/seminar/adv_free_20090820.html

    (当日は昼の部に私も修行のため?参加する予定です)

    では、今後ともよろしくお願いいたします。

    高橋

  2. YO-SHI

    高橋さん、コメントありがとうございます。

    既知のものでも、それを実践しているかどうかが問題ですね。
    さらには「意識して実践しているか」でも結果は違ってくる
    と思います。
    その点では、このように要領を得てまとめた本は有用だと
    思います。良い本をありがとうございました。

    うちの会社にはなぜかフラフープがあるので、本で紹介
    されていたアクティビティをやってみようと思っています。
     

  3. YO-SHI

    美崎栄一郎さん、コメントありがとうございます。

    以前、このブログの「最後のパレード」のレビューにも
    コメントをいただいたことがあります。

    「プロファイリング席次」の考案者に読まれると、
    さすがにちょっと気恥ずかしい思いがしますね。
    ご活躍のことは、ブログ等で拝見しています。
    「「結果を出す人」はノートに何を書いているのか」も
    是非読ませていただきます。
     

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