ツイッター 140文字が世界を変える

著 者:コグレマサト いしたにまさき
出版社:毎日コミュニケーションズ
出版日:2009年10月20日 初版第1刷 2009年11月5日 初版第3刷 
評 価:☆☆☆(説明)

 R+(レビュープラス)様にて献本いただきました。感謝。

 本書は「ツイッター(Twitter)」をまだ使っていない人に紹介する本。ツイッターとは、ユーザーがネットに140文字以内の「つぶやき」を投稿、それを別のユーザーが閲覧することで、コミュニケーションが発生するサービス。今年9月の利用者は国内で257万人、世界では5840万人もいる。

 そのツイッターの日本での歴史から始まって、「ツイッターとは?」「~を楽しむためには?」などを章ごとに説明する本書は、正にツイッターのガイドブック。特に、勝間和代さんや広瀬香美さんら著名人が演じた出来事を活写した部分は秀逸。読者はこんな場面に自分もぜひ遭遇したい、と思うに違いない。
 ただ、著者も「一度経験して分かってしまえばすごく簡単なサービス」「経験のない人に説明するのがこれほど難しいサービスも珍しい」と書いているように、どんなに親切に上手に説明したとしても、読者がツイッターの魅力を感じるのは難しい。一言で言ってしまえば「やってみた方がいい」ということだ。

 実は、私もやってみたことがある。勝間さんらが使い始めたことを知って登録したのだ。すぐに「さてこれからどうするか」とつぶやいたのだけれど、その後には沈黙と寂しさが..。本書には「月面に一人着陸したような孤独感」という表現があるが、周囲は盛り上がっているので「雑踏の中の孤独」に近い。
 何の手引きもなしに飛び込むと私のようにひとりぼっちにされてしまう。手を引いて教えてくれる人がいればいいのだけれど、そういう人がいないのなら本書の第3章「ツイッターを楽しむためには?」を読もう。少なくとも「これからどうするか」はそれで分かる。その先には面白い世界が待っているはずだ。

 140文字ぐらいでは大したことは言えない、と思う方もいるだろう。しかしそうでもない。実は、この記事は最初の1行と英文以外の段落が全部140文字でできている(お時間のある方は数えてみてほしい)。「つぶやき」と呼ぶにはかなり長い。ある程度まとまった情報を伝えることができる量だと思う。
 本書にも書いてあるが、日本語は英語より140文字で伝えられる情報量が多いようだ。戯れにこの記事の一段落を英訳したら(下の英文。文法には自信なし)282文字もある。だからツイッターは日本では情報ツールとして独自に発展する可能性がある。本書タイトルどおり「世界を変える」かもしれない。

 This book introduces “Twitter” to who haven’t used it yet. Twitter is the service that makes communications by that one user posts “tweet” up to 140 characters to the net and the other see it. There are 2.57 million visitors in Japan and 58.4 million in the world in this September.

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4つのコメントが “ツイッター 140文字が世界を変える”にありました

  1. YO-SHI

    風竜胆さん、コメントありがとうございました。

    風竜胆さんのブログにも書評掲載されましたね。拝読しました。
    「ネットワークの外部性」には、私も思い至りましたが、
    「マズローの欲求段階説」は気付きませんでした。
    「所属の欲求」「承認の欲求」の実現と考えれば、このちょっとした
    ブームの説明になりそうですね。
     

  2. てんてる

    はじめまして。
    ツイッター、たしかに便利ではありますし、おもしろいものではある、と思いますが。
    反面、ちょっと不快に感じる部分もあります。
    例えば、「だれかれ構わずとりあえずフォローしまくる」ようなひととか。
    それを補佐するための自動ツールまで売られていますし。
    ツイッターの使い方を説明しているブログなんかにも、
    「最初は有名人をフォローしているようなひとを次々とフォローしてみましょう。そのうち半分ぐらいはあなたのことをフォローしてくれますよ」なんて平然と書かれてあったり。
    これっていわゆる「スパム」行為と変わらないような気がします。
    もう少し「規約」のようなものがはっきりとあるといいのになあ、と思う次第であります。

  3. YO-SHI

    てんてるさん、コメントありがとうございました。

    私も数回しかつぶやいたことがないので、何とも言えないんですが、
    知らない人のつぶやきを聞くことや、まして知らない人につぶやきを
    聞かれることに、私も気味悪さを感じます。

    ただ、Twitterのヘビーユーザーの話で何度も登場するのですが、
    Twitterの特長は、その「ゆるさ」にあるのだそうです。
    フォローされても止められても、話しかけて返事がなくても「気にしない」
    全部に目を通そうとしない、タイムラインから消えたら「なかったものに」
    こういった「ゆるさ」が心地いいという人もいらっしゃるのでしょう。

    ところで、「低予算の出版業」というのは、面白そうなビジネスモデル
    ですね。
     

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